株式市場では九州銘柄が沸いていますが、先週末、仕事の後に車で熊本JASM工場周りをぐるりと見てきました。JASMは台湾TSMCが出資し2021年に熊本に設立した子会社です。JASMが設立された菊陽町には、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCK)や東京エレクトロン、ローツェ、富士フイルム九州など半導体関連企業が集積しており、工場の従業員の居住やサービス・インフラ産業などの発展から人口も増加。7月1日に発表された路線価は熊本県菊陽町光の森の「県道住吉熊本線」が前年から24%上昇し、全国2位の上昇率となっています。

工場周辺のベットタウンには、施工中のアパートやマンションが散見されました。こうした新生活を始める世帯向けに昨年11月には家具大手のニトリがオープンしており、街の拡張の勢いを感じましたが、インフラにはまだ課題がありそう。熊本都市部につながる主要幹線道路が足りないため、自動車通勤の従業員が都市部に戻る渋滞が酷いというのと、電車通勤する場合は豊肥本線の原水駅で下車、ここからバスで工場地帯へと向かうことになるのですが、この駅がとても小さな駅でバスターミナル脇にイベント時に設置されるような簡易トイレが置かれているという塩梅。こうしたインフラの整備、拡張はこれからの課題でしょうか。

JASMオープンに合わせて、台湾のTSMCから第1陣の従業員約750人が日本に出向してきた、ということもあり、様々なサービスの提供もビジネスとなると思われますが、聞くところによると熊本には台湾料理店が少ないのだそうです。故郷の味を求める台湾の従業員、家族の方向けにこれから台湾料理店が増えていくのでは?という話も興味深いですね。TSMC日本工場は第2工場の建設も決定していますが、第4・第5工場まで日本に建設する計画があるとかないとか。まだ具体的な場所、計画は明らかではないのですが、現在菊陽町のJASMの前に広がるとうもろこし畑の景色が、次に訪れた時には大きく変わっているかもしれません。