東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。135円安の41,444円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分で149円安の41,430円まで下落した後持ち直すと10時40分前に160円高の41,740円まで上昇しました。しかし、利益確定の売りが出て伸び悩むと55円高の41,635円で前場を終えました。

19円高の41,599円でスタートした後場の日経平均は12時40分に66円安の41,513円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し大引け間際に308円高の41,889円まで上昇し結局251円高の41,831円で取引を終え、昨日に続いて史上最高値を更新しています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が一時4.3%高となり上場来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の5.67%に当たる8700万株、6000億円を上限とした自社株買いを発表したことから買いが優勢となりました。

三菱電機(6503)も一時3.3%高となりました。米防衛大手ノースロップ・グラマン[NOC]と防衛装備品提供に向けた協業を検討すると発表したことを材料視した買いが入りました。

人材サービス大手のディップ(2379)も一時9.4%高となりました。パート・アルバイトの求人サイト「バイトル」など求人広告サービスが堅調に推移したことにより第1四半期の営業利益が前年同期比で20.4%増となり、通期の業績予想に対する進捗率が30%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。

女性向けスポーツジム「カーブス」を運営するカーブスホールディングス(7085)も一時8.7%高となりました。会員数の回復やプロテイン商品の販売好調などを受けて第3四半期の営業利益が前年同期比で43.9%増となったことで大幅高となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてキユーピー(2809)やヒロセ電機(6806)が高く、キユーピーが一時5.2%高となり上場来高値を更新したほか、ヒロセ電機も一時4.4%高となっています。

一方でジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)が一時6.3%安となりました。中期経営計画の見直しを発表し、最終年度となる2026年3月期の営業利益の目標数値を460億円以上に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことで失望売りが出ました。

半導体製造装置大手のKOKUSAI ELECTRIC(6525)も一時12.0%安となりました。米投資ファンドのKKRが保有するKOKUSAI ELECTRIC株の一部を売却することが分かったと伝わったことで株式需給の悪化を警戒した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は251円高となり、昨日に続いて史上最高値を更新しました。昨日に大きく上げた反動で一時は150円近く下落する場面もありましたが、押し目買いが入り下げ渋ると買いが優勢となり、上げ幅を広げ一時は300円以上上げる場面もありました。

また、こうしたなかでTOPIXも13ポイント高の2,909ポイントとなり、4日に付けた史上最高値(2,898ポイント)を更新しています。したがって先高感は依然として強いといえそうで、今週は高値警戒感が一段と高まるなかでどこまで水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、日本時間の本日23時にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で証言を行う予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)