【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,308.00  ▼23.85 (7/3)
NASDAQ: 18,188.30  △159.54 (7/3)

1.概況

米国市場は独立記念日の前日で短縮取引となるなか高安まちまちとなりました。ダウ平均は利益確定や持ち高調整の売りが出て3日ぶりに反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は景気の減速を示す経済指標の発表が相次いだことにより9月の利下げ観測が強まり、ハイテク株が買われたことで3日続伸となり史上最高値を更新しています。27ドル高でスタートしたダウ平均は直後に79ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎには100ドル安まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、上値は重く結局23ドル安の39,308ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が28ポイント高の5,537ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も159ポイント高の18,188ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

6月の米ISM非製造業景況感指数は48.8と好不況の境目である50を割り込み、2020年5月以来4年1ヶ月ぶりの低水準となり市場予想も下回りました。6月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数も15万人増となり市場予想を下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件も前週比4000件増の23万8000件となり市場予想以上に悪化しています。5月の米製造業新規受注も前月比0.5%減となり市場予想を下回っています。また、5月の米貿易収支の赤字額は前月比0.8%増の751億ドルとなりました。さらに6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者がインフレが持続的に2%に向かっているというより強い確信を持つためには追加のデータが必要との見方をしていることが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や素材、公益事業などの7業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方でヘルスケアや生活必需品などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]が2%近く上げたほか、マクドナルド[MCD]も1%近く上昇しました。一方でユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とメルク[MRK]、アマゾン・ドット・コム[AMZN]、ナイキ[NKE]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではテスラ[TSLA]が目標株価の引き上げが相次いだことで6%を超える上昇となっています。また、半導体株が高くエヌビディア[NVDA]とブロードコム[AVGO]が4%以上上げ、マイクロン・テクノロジー[MU]も3%余り上昇しています。クアルコム[QCOM]も2%近く上げました。さらにメディアのパラマウント・グローバル[PARA]が米映画製作大手スカイダンス・メディアとの合併で暫定合意に達したと伝わったことで7%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は景気の減速を示す経済指標の発表が相次いだことで0.07%低い4.36%となりました。ドル円は161円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米ハイテク株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。東証プライム市場の騰落レシオが124%となるなど短期的な過熱感もあるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)