東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。24円安の38,608円で寄り付いた日経平均は9時30分過ぎに162円高の38,795円を付けた後9時50分過ぎに53円安の38,579円を付けるなど昨日の終値を挟んで一進一退の展開になると6円安の38,626円で前場を終えました。
43円安の38,589円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに100円安の38,532円まで下落しましたが、節目の38,500円を前に下げ渋ると持ち直しその後は昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局36円安の38,596円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
セントラル硝子(4044)が一時6.3%高となり年初来高値を更新しました。製造コストを1割以上削減でき、不良品率も大幅に減らせるパワー半導体の先端素材である「炭化ケイ素(SiC)」基板の新製法を開発したと伝わったことで買いが優勢となりました。
サイボウズ(4776)も一時18.8%高となりました。クラウドサービスの価格体系改定等の影響を反映させたことなどにより2024年12月期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。
デジタルガレージ(4819)も一時8.2%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の4.64%にあたる220万株、40億円を上限とした自社株買いを発表したことで上げ幅を広げました。
ヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットホールディングス(6571)も一時7.6%高となりました。2024年6月期の期末配当予想を従来から5円積み増し27円にすると発表したことで買いが優勢となりました。
また、コンテナ船のスポット(随時契約)運賃相場が高騰していると伝わったことから大手海運株が高く、日本郵船(9101)が一時2.5%高、商船三井(9104)が一時2.8%高、川崎汽船(9107)も一時3.2%高となりました。
さらに日清オイリオグループ(2602)が目標株価の引き上げを受けて一時3.4%高となったほか、大塚ホールディングス(4578)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.2%高となっています。
一方でビックカメラ(3048)が投資判断の引き下げを受けて一時3.3%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は36円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり材料に乏しいこともあって一日を通して昨日の終値を挟んでもみ合い方向感に欠ける展開となるなか小幅安となりました。
一時は160円以上上げる場面もありましたが、25日移動平均線(38,713円)を小幅に上回ったところで伸び悩むと、100日移動平均線(38,630円)も下回って取引を終えました。そのため25日移動平均線や100移動平均線が上値抵抗線して意識されそうです。
なお、日本時間22時45分に6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されるほか、23時には5月の米中古住宅販売件数と5月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)