【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,834.86  △56.76 (6/18)
NASDAQ: 17,862.23  △5.21 (6/18)

1.概況

米国市場は消費の減速を示唆する経済指標を受けて利下げ期待が高まり小幅に続伸となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に158ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むとその後は前日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり、結局56ドル高の38,834ドルで取引を終え続伸となっています。また、S&P500株価指数が13ポイント高の5,487ポイントと続伸となり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も5ポイント高の17,862ポイントとなり、7日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

5月の米小売売上高は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。一方で5月の米鉱工業生産指数は前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も78.7%と前月から上昇し市場予想を上回っています。4月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や情報技術、資本財・サービス、エネルギーなどの8業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、素材の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は20銘柄が上げ、ゴールドマン・サックス[GS]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ホーム・デポ[HD]、JPモルガン・チェース[JPM]が1%以上上昇しました。一方で10銘柄が下げ、ボーイング[BA]が2%近く下落したほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とインテル[INTC]、アップル[AAPL]、マクドナルド[MCD]も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高く、マイクロン・テクノロジー[MU]が目標株価の引き上げを受けて4%近く上昇し、エヌビディア[NVDA]も目標株価の引き上げを受けて3%以上上げました。エヌビディアの時価総額はマイクロソフト[MSFT]を抜いて世界一となっています。また、クアルコム[QCOM]も2%余り上昇しています。さらに英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も8%以上上げています。主力ハイテク株は軟調で、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、テスラ[TSLA]が1%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米小売売上高が市場予想を下回ったことで0.06%低い4.22%となりました。ドル円は157円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が100日移動平均線(昨日時点で38,562円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)