東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。305円高の39,182円で寄り付いた日経平均は直後に375円高の39,252円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時20分過ぎにマイナスに転じ45円安の38,831円で前場を終えました。

114円安の38,762円でスタートした後場の日経平均は13時前に15円安の38,861円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ大引け間際に186円安の38,689円まで下落し結局156円安の38,720円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%近く上昇し過去最高値を更新したことから半導体関連株の一角が高く、アドバンテスト(6857)が一時4.3%高、ディスコ(6146)も一時3.8%高となりました。

ソフトバンクグループ(9984)も一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。昨日の米国市場で傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が8%以上上げたことで買いが優勢となりました。

また、昨日の米国市場で米アップル[AAPL]が3%近く上げ連日で上場来高値を更新したことから昨日に続いて関連銘柄が高く、村田製作所(6981)が一時3.0%高、TDK(6762)が一時3.5%高、太陽誘電(6976)も4.7%高となり、村田製作所が年初来高値を更新し、TDKも上場来高値を更新しています。

本決算を発表したVチューバーのマネジメントを手掛けるANYCOLOR(5032)も21.2%上昇しストップ高となりました。2025年4月期の営業利益が前期比で19.7%増となる見通しを示したことや、自己株式を除く発行済株式総数の6.4%にあたる400万株、75億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いを集めました。

物流施設の賃貸・管理大手のシーアールイー(3458)も一時11.7%高となりました。株主還元方針および財政状態等を総合的に勘案し、2024年7月期末の1株あたり配当予想を従来公表の普通配当26円に特別配当24円を加え、50円にすると発表したことで大幅高となりました。

一方で米長期金利の低下を受けて生保株が安く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.3%安、T&Dホールディングス(8795)も一時4.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は156円安となりました。ハイテク株高を受けて昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが先行し、一時は370円以上上げ節目の39,000円を上回る場面もありました。

しかし、利益確定や持ち高調整の売りが出て伸び悩むとマイナスに転じ39,000円を下回って取引を終えました。そのため39,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうです。

なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や5月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

さらに昼頃には日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。国債買い入れの減額などについて議論が行われると伝わっていることもあり結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)