東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円高を受けて続落となりました。183円安の38,654円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げると10時40分に493円安の38,343円まで下落しましたが、売り一巡後に持ち直すと309円安の38,527円で前場を終えました。

362円安の38,474円でスタートした後場の日経平均は14時40分前に480円安の38,356円まで下落した後下げ渋りましたが、その後も節目の38,500円を下回って推移すると結局347円安の38,490円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)が一時6.7%高となりました。夏物衣料が好調に推移したことなどによりネット通販を合わせた5月の既存店売上高が前年同月比で11.4%増と高い伸びとなったことで上げ幅を広げました。

カジュアル衣料大手のアダストリア(2685)も一時4.7%高となりました。気温が暖かく推移したことで夏物商品の販売が好調だったことなどにより5月の既存店売上高が前年同月比で4.6%増となったことから大幅高となりました。

第3四半期決算を発表した内田洋行(8057)も一時7.7%高となりました。好調な企業業績を背景に大企業の大型オフィス構築案件の獲得が順調に増加したことなどにより2024年7月期の営業利益の見通しを86億円から92億円に上方修正したことで大幅高となりました。

また、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時7.0%高となり年初来高値を更新したほか、九州電力(9508)も目標株価の引き上げを受けて一時4.5%高となっています。

一方で本決算を発表した博報堂DYホールディングス(2433)が一時16.4%安となりました。2025年3月期の営業利益が前期比で5%増となる見通しを示しましたが、市場予想を大きく下回ったことで売りが膨らみました。

「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングス(3397)も一時5.0%安となり年初来安値を更新しました。ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(転換社債)を発行して220億円を調達すると発表したことで将来の希薄化や需給悪化を警戒した売りが優勢となりました。

さらに米長期金利の低下を受けて生保株が安く、第一生命ホールディングス(8750)が一時4.9%安、T&Dホールディングス(8795)も一時4.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は347円安となりました。一時154円台後半まで進んだ円高が相場の重石となり売りが優勢となりました。

一時は490円以上下落する場面もありましたが、一目均衡表の雲の下限(38,329円)を前に下げ渋ると持ち直し節目の38,500円を回復する場面もありました。そのため一目均衡表の雲の下限がサポートとして意識されそうです。

なお、日本時間の21時15分に5月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には5月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)