東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。444円安の38,112円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間弱で939円安の37,617円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると582円安の37,974円で前場を終えました。
498円安の38,058円でスタートした後場の日経平均は14時50分前に663円安の37,893円まで下落しましたが、大引けにかけてやや持ち直すと結局502円安の38,054円で取引を終えました。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となり、昨日に続いて年初来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が昨日の米国市場で2%近く下落したことで半導体関連株が安く、なかでもアドバンテスト(6857)が6.1%安、東京エレクトロン(8035)も2.5%安となりました。
また、日経平均が大幅安となるなか指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が2.1%安、ソフトバンクグループ(9984)も2.3%安となり、アドバンテストと東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループの4銘柄で日経平均を300円近く押し下げています。
一方で朝日放送グループホールディングス(9405)が一時2.2%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の0.24%にあたる10万株、8千万円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。
経営コンサルティングのシグマクシス・ホールディングス(6088)も一時8.6%高となりました。受注が順調に積み上がっているうえ、販管費が減少する見込みとなったことなどにより通期の経常利益の見通しを51億円から53億円に上方修正したことで大幅高となりました。
さらに目標株価の引き上げを受けて大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)や北越コーポレーション(3865)が高く、大阪チタニウムテクノロジーズが一時7.6%高となり年初来高値を更新したほか、北越コーポレーションも一時12.4%高となりました。
東証スタンダード市場では第一屋製パン(2215)が一時9.6%高となりました。保有する土地の売却益を計上することに伴い2024年12月期の純利益の見通しを2億7千万円から16億円に引き上げ、一転して増益予想となったことで買いが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は502円安となりました。米長期金利の上昇が相場の重石となり昨日の米国市場が下落となったことで売りが優勢となりました。
また、国内の長期金利が一時1.1%と13年ぶりの高水準をつけたこともあり下げ幅を大きく広げました。一時は940円近く下落する場面もありましたが、売り一巡後に下げ渋ると節目の38,000円を上回って取引を終えました。
しかし、4月19日にサポートとなった100日移動平均線(38,068円)を小幅に割り込んだことから明日以降の一段安を警戒する見方も出てきそうです。なお、日本時間の21時30分には1-3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値や米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)