25日移動平均線が上向きに変化
前回のコラムでは「2つの壁を突破できるか要注目」と解説しましたが、その2つの壁の1つとなっていた下向きの25日移動平均線がついに上向きに変化しました。上向きに変化したのは5月24日ですが、25日移動平均線が上向きに変化したことから5月24日に下落した場面で25日移動平均線がサポートになり、その後の反発に繋がっているのが分かります。
また、この反発で上向きの75日移動平均線に沿った値動きが継続しています。ただ、3月13日の終値と4月5日の終値を結んで延長したネックラインには届いておらず、2つ目の壁としていたネックラインを上回ることができていない状況です。
そのような中で注目されるのが、25日移動平均線の今後の動向です。日経平均は4月19日に安値をつけた後、緩やかな上昇が続いていますが、今後は4月19日の安値が捨てられて直近の終値と入れ替わることになるため、25日移動平均線の上昇が続くことが期待されます。
仮に25日移動平均線の上昇が続くとともに株価が25日移動平均線上を維持するようですと、ネックラインに接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。その反面、25日移動平均線を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなるようですと、4月19日の安値に接近したり、下回ることが考えられますので上値が重たい時は注意が必要です。
モメンタムは横ばいが継続中、今後の動きに注目
一方で、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの横ばい状態が続いており、今後、上下どちらに動き始めるのかが注目されます。
仮に上昇するようですと、25日移動平均線が上向きに変化していることもあって、株価水準を切り上げてネックラインに接近したり、上回ったりすることが期待されます。その一方、2本線が下向きに変化して低下したり、0ラインを割り込んで切り下がるようですと、25日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなることが考えられます。
特に、0ラインを下回って戻せなくなるようですと、25日移動平均を下回るとともに25日移動平均線が下向きに変化することも視野に入るため、モメンタムが急低下して0ラインを割り込んだ時は注意が必要です。