ついに25日移動平均線を上回るも、2つの壁を突破できるか
前回のコラム時点まで、下向きの25日移動平均線に押し返された状態が続いていましたが、上向きに変化した5日移動平均線がサポートになると、5月16日にはついに下向きの25日移動平均線と上向きの75日移動平均線を終値で上回る結果となりました。
その後も5日移動平均線がサポートになって株価水準を切り上げ、5月20日には4月15日以来となる39,000円台を回復する結果となりました。また、5日移動平均線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスも発生しており、反発の継続が期待されます。
ただ、このまま反発を続けるためには突破しなければならないポイントが2つあります。1つ目は25日移動平均線が未だに下向きを続けているところです。25日移動平均線の下向きが続いている間は、25日移動平均線に引っ張られることが考えられるため、急落などの発生に注意が必要です。そのため、25日移動平均線が上向きに変化するまでは、楽観視できない状況と思われます。
2つ目は、トリプルトップのネックラインを上回ることができるかです。ネックラインとは、トリプルトップの谷と谷の終値と終値を結んだ線になりますが、今回のケースでは、3月13日と4月5日の終値と終値を結んだ延長線になります。
この延長線を突破するまでは、再び下落に向かうことが考えられるため、警戒が必要になるのです。仮にこの2つのポイントをクリアできれば、株価は4万円台を回復することが視野に入りそうです。
一方で、ネックラインを終値で上回ることができなかったり、25日移動平均線が下向きの間に急落して25日移動平均線を下回ったりするようですと、4月19日の安値に接近したり、下回ったりすることが考えられるため、ここからの値動きを楽観視せず慎重に対応する必要があると思われます。
モメンタムの低下が続いた場合は要注意
そのような中、上昇と下落の勢いを示唆するモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きに変化しているのが分かります。また、モメンタムの低下で、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに接近しています。
そのため、モメンタムとシグナルの低下が続くかが注目ポイントになりそうです。仮に2本線の低下が続くとともに、0ラインを割り込んで戻せなくなるようですと、下落の勢いが強まり、せっかく上回った5日移動平均線や75日移動平均線を割り込むことも視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。
一方で、2本線が低下して0ラインを割り込んでも限定的だったり、上向きに変化して上昇するとともに水準を切り上げたりするようですと、3本の移動平均線上を維持して25日移動平均線が上向きに変化してネックラインも突破することが期待されます。
いずれにしても重要な局面に差し掛かっている日経平均ですので、慎重な対応を心掛けたいところです。