【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,671.04 ▼201.95 (5/22)
NASDAQ: 16,801.54 ▼31.08 (5/22)
1.概況
米国株式市場は、午後に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で参加者が強いインフレ警戒の姿勢を示していたことが明らかになったことで、利下げ期待が後退し反落となりました。9ドル安でスタートしたダウ平均は横ばいで推移した後、午後には主力株に持ち高調整や利益確定の売りが広がり、下げ幅が300ドルを超える場面もありました。引けにかけては持ち直しましたが、最終的には前日比201ドル安の39,671ドルとなりました。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、31ポイント安の16,801ポイントで取引を終えました。また、S&P500種株価指数も前日比14ポイント安の5,307ポイントで反落となりました。
2.経済指標等
4月の米中古住宅販売件数は予想に反して減少し、前月比1.9%減と2ヶ月連続でのマイナスとなりました。過去最高水準近くにある価格と高い借入コストを受け、中古住宅市場が低迷していることが分かります。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアや資本財・サービス、情報技術の3業種が小幅に上げた一方で、エネルギーや公益事業、素材、不動産などの8業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]とシスコシステムズ[CSCO]が1%を超える上昇となったほか、ボーイング[BA]も1%近く上昇しました。一方で、ダウ[DOW]が2%を超える下落となったほか、アムジェン[AMGN]やアメリカン・エキスプレス[AXP]、シェブロン[CVX]、ゴールドマン・サックス[GS]、ホーム・デポ[HD]、インテル[INTC]、スリーエム[MMM]などが1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、モデルナ[MRNA]とファイザー[PFE]が、鳥インフルエンザのヒトへの感染が報じられたことからワクチン需要増加の思惑で買われ、モデルナは13%を超える上昇、ファイザーは3%を超える上昇となりました。一方で電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は、4月販売が15ヶ月ぶりの低水準に落ち込んだことから3%を超える下落となっています。また、半導体エヌビディア[NVDA]が取引終了後に第1四半期決算を発表しました。1株利益やデータセンター売上高、第2四半期の見通しが軒並み予想を上回ったほか、1株を10株にする株式分割や増配計画を発表し、時間外取引で大きく上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い4.42%となりました。ドル円は156円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、エヌビディアの決算が市場予想を大きく上回る結果となったことから、半導体株を中心に上昇が見込まれます。一方で、22日の米国市場が反落となっていることや、昨日日本の長期金利が11年ぶりに1%を超えたことから、警戒感は残ります。
(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 岡 功祐)