東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続落で取引を終えました。123円安の38,823円で寄り付いた日経平均は、序盤は一進一退の展開が続きますが、段々と水準を切り下げ38,600円台で推移するもみ合いの後持ち直し、227円安の38,719円で前場の取引を終えました。

後場に入ると持ち高調整の動きが活発となり軟調に推移し、14時過ぎに本日の安値である38,592円をつけました。取引時間中に長期金利が11年ぶりの1%台に到達するなどしたことからその後も軟調に推移し、最終的には329円安(マイナス0.9%)の38,617円で取引を終えました。

TOPIXは、マイナス0.8%、東証グロース250指数はマイナス1.4%と3指数そろって続落となりました。

2.個別銘柄等

国内証券の目標株価引き上げを契機に、ニデック(6594)が一時6.3%高の7,748円まで上昇しました。構造改革費用の縮小、MOEN(モーション&エナジー事業本部)の続伸、水冷モジュール急拡大、HDDモータの回復など複数のポジティブなニュースから、2026年3月期営業利益は3,000億円、前期比28%増との予想などが好感され買いが入りました。

クスリのアオキホールディングス(3549)も、21日に香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが同社株を買い増したことが明らかになり、ドラッグストア業界の再編にも絡む動きを後押しするとの思惑から一時前日比111円高の3,210円まで上昇しました。

またアシックス(7936)も、一時前日比191円(2.4%)高の8,237円まで上昇し反発しました。21日に発表されたアナリストレポートで、目標株価が引き上げられたことが材料視されています。

資生堂(4911)も国内証券会社による目標株価の引き上げを受けて、一時前日比88円(1.8%)高の4,850円まで上昇しました。在庫の調整が2024年1~3月期で完了し、5月から出荷がプラス転換する見込みであることが好感されています。

一方で、ダイフク(6383)が、前日比132円(4.3%)安の2,946円と下落しました。中国での半導体設備投資が今後減少することでダイフクが手掛ける半導体生産に必須のクリーンルーム関連の受注が減少するとの見方を受け、先行きの業績を警戒する売りが優勢となりました。

その他の下落銘柄は、金利敏感とされる不動産や公益セクターの銘柄でした。長期金利が場中に2013年5月以来の1%まで上昇し、11年ぶりの水準で推移していることから、東京瓦斯(9531)が前日比マイナス5.24%の3,325円、三井不動産(8801)が前日比マイナス3.6%の1,416円、三菱地所(8802)が前日比マイナス2.7%の2,625円で取引を終えています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、明日未明のエヌビディア[NVDA]の決算を前に動きづらく、日本の半導体関連株を中心に持ち高の調整がみられました。エヌビディアの決算は、高水準であることが予想されますが、注目度が高いだけに小さなサプライズでも市場インパクトは大きくなる可能性があるでしょう。

また、明日の未明(23日3:00)頃に前回のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(4月30日-5月1日開催分)が公表されます。FED高官が供給サイドの状況にどのような判断、見通しをしていたかに注目が集まります。

(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 山口 慧太)