東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。108円高の38,287円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで298円高の38,477円まで上昇した後伸び悩むと10時20分過ぎにマイナスに転じましたが、37円安の38,141円で下げ渋ると持ち直し19円高の38,199円で前場を終えました。

69円安の38,109円でスタートした後場の日経平均は後場寄りから5分余りで94円安の38,084円まで下落しましたが、その後持ち直すと引けにかけてやや上げ幅を広げ結局176円高の38,356円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

サントリー食品インターナショナル(2587)が一時9.7%高となり上場来高値を更新しました。国内外で値上げが進んだことや円安の効果もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で28.5%増となり市場予想を上回ったことから買いを集めました。

ヤマハ発動機(7272)も一時7.4%高となり上場来高値を更新しました。半導体の供給不足が改善し、新興国を中心に二輪車の高価格モデルの生産と出荷が増えたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で2.7%増となり、3四半期ぶりに増益に転じたことから大幅高となりました。

本決算を発表した大林組(1802)も一時16.8%高となり年初来高値を更新しました。建設事業が堅調に伸びると見込まれることなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で17.2%増となる見通しを示し、市場予想を上回ったことから上げ幅を広げました。

また、同じく本決算を発表したTOPPANホールディングス(7911)やサワイグループホールディングス(4887)も買われました。TOPPANホールディングスは2025年3月期の営業利益が前期比で18.5%増となる見通しを示したことに加え、自己株式を除く発行済株式総数の12.31%にあたる3900万株、1000億円を上限とした大規模な自社株買いを発表したことから一時14.4%高となりました。

後発医薬品大手のサワイグループホールディングス(4887)も高血圧薬の新製品などが伸びることから2025年3月期の営業利益が前期比で39.6%増となる見通しを示したことや、1株を3株にする株式分割を発表したこともあり一時17.7%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。

一方で油封部品最大手のNOK(7240)が一時11.0%安となりました。主力のシール事業が伸び悩むことや材料費や人件費の増加もあり2025年3月期の営業利益が前期比で4.9%減となる見通しを示し、市場予想も下回ったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は176円高となりました。昨日の米国市場でハイテク株の一角が買われナスダック総合株価指数が反発となったことや円安もあり反発となりました。

しかし、一時は300円近く上昇し一目均衡表の雲の下限(38,387円)を上回る場面もありましたが、節目の38,500円を前に伸び悩むと一目均衡表の雲の下限を下回って取引を終えました。そのため一目均衡表の雲の下限が上値抵抗線として意識されそうです。

なお、決算発表が続いています。本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)やテルモ(4543)、出光興産(5019)、ソニーグループ(6758)、ニトリホールディングス(9843)などが決算を発表する予定です。

また、日本時間の21時30分には4月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、23時にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が金融イベントの討議に参加する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)