東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。17円安の38,211円で寄り付いた日経平均は10時20分前に259円安の37,969円まで下落しましたが、節目の38,000円を小幅に割り込んだところで下げ渋ると前引け5分前に44円高の38,273円まで上昇し、14円高の38,243円で前場を終えました。

18円高の38,248円でスタートした後場の日経平均は直後にマイナスに転じると13時30分に176円安の38,052円まで下落しましたが、その後持ち直すと結局49円安の38,179円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

本決算とともに自社株買いを発表したオリンパス(7733)やホンダ(7267)、島津製作所(7701)などが買われました。オリンパスは米国を中心に内視鏡の販売が伸びると見込まれることなどから2025年3月期の営業利益が前期比で4.1倍となる見通しを示し市場予想を上回ったうえ、自己株式を除く発行済株式総数の5.15%にあたる6000万株、1000億円を上限とした自社株買いを発表したことで一時9.7%高となり年初来高値を更新しました。

ホンダと島津製作所は2025年3月期の営業利益の見通しが市場予想にわずかに届きませんでしたが、自己株式を除く発行済株式総数の3.7%にあたる1億8000万株、3000億円を上限とした自社株買いを発表したことでホンダが一時6.9%高となり、島津製作所も自己株式を除く発行済株式総数の4.2%にあたる1250万株、250億円を上限とした自社株買いを発表したことで一時5.9%高となり年初来高値を更新しました。

アシックス(7936)も20.7%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。高価格帯のランニングシューズの販売が好調だったことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で52.9%増となったことに加え、1株を4株とする株式分割を発表したこともあり買いを集めました。

一方で本決算を発表したマツダ(7261)が一時6.0%安となりました。北米で販売が伸びると見込まれることなどから2025年3月期の営業利益が前期比で7.8%増となる見通しを示しましたが、市場予想を下回ったことで売りが優勢となりました。

同じく本決算を発表した日本新薬(4516)も一時12.6%安となり年初来安値を更新しました。販管費の増加により2025年3月期の営業利益が前期比で6.9%減となる見通しを示し、市場予想を下回ったことから売られました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は49円安となりました。日銀が定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)で長期債の購入予定額を減らしたことから日銀の政策正常化への警戒感が出て売りが優勢となりました。

しかし、一時は260円近く下落し節目の38,000円を割り込む場面もありましたが、押し目買いが入り下げ渋ると38,000円を上回って取引を終えました。そのため38,000円を下回ったところでの底堅さが改めて意識されそうですが、一目均衡表の雲の下限(38,229円)を小幅に上回ったところで伸び悩んだことから上値の重さも意識されそうです。

なお、決算発表が続いています。本日も引け後には大林組(1802)や三井金属鉱業(5706)、古河電気工業(5801)、スズキ(7269)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)