75日移動平均線を上回って維持できるか攻防が継続中

前回のコラムでは「早期に75日移動平均線上を回復して維持できるかが注目ポイント」と解説しました。4月24日に75日移動平均線上を回復して終え、上回ったまま維持できるかに注目しましたが、翌4月25日には再び下回り、75日移動平均線を上回って維持することができない状態になりました。

ただ、連休の谷間となる4月30日には、2度目となる75日移動平均線上を回復しており、株価の反発に対する期待が継続する格好となっているのが分かります。そのため、今回も75日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになります。

仮に75日移動平均線上を維持するようですと、下向きの25日移動平均線を上回ることが視野に入り、上向きの5日移動平均線がサポートになって75日移動平均線を上回り、ゴールデンクロスが発生するとともに25日移動平均線上を回復して上昇トレンドの発生が期待されます。

一方で、75日移動平均線上を維持できずに割り込んで戻せなくなるようですと、25日移動平均線が75日移動平均線を下回るデッドクロスが発生するとともに、75日移動平均線が下向きに変化して本格的な下降トレンド入りになることが考えられます。

【図表】日経平均株価(日足) 
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの上昇が続くかが75日移動平均線上を維持するカギ

そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているものの上向きに変化しているのが分かります。

そのため、2本線の上昇が続くかが75日移動平均線上を維持するカギになります。仮に2本線の上昇が続くとともに直近の高い水準を上回ったり、0ラインを上回って水準を切り上げたりするようですと、75日移動平均線上を維持するだけでなく、25日移動平均線も上回り反発が継続しそうです。

一方で、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して0ラインを下回ったまま低下が続いたりするようですと、75日移動平均線上を維持できないだけでなく、5日移動平均線も下回って4月19日につけた安値に接近したり、下回ったりすることが考えられます。その場合、買いポジションを持っている投資家は下降トレンドの発生による損失の発生や拡大に注意が必要です。