なぜか私は、ポイント獲得を狙うという『ポイ活』がちょっと苦手です。2018年頃に、ある大学の授業で、学生たちがキャッシュレス決済のポイント祭りに熱狂していたのを見て、お金遣いが荒い大人になってしまうのでは…、と心配した辺りからだったかもしれません。
結局これは杞憂に終わったのですが、今でも、ポイ活には手を出しそびれています。
ところが、そうやって遠巻きに見ているうちに、アンケートに答えるとか歩くだけとかだけでポイントが貯まるなど、ポイント付与合戦がエスカレートしているように感じます。
最近驚いたのは、まず、ふるさと納税です。プラットフォームを使うと、寄付額に対してポイントが貯まり、Amazonポイントなどに変換できるというものです。気づいたら、案外まとまった金額になっていました。もともとふるさと納税の返礼品自体が、「おまけ」のようなもの。そのおまけを貰うとさらにそこに大きなおまけがついてくるというのに驚きました。
次に、金融取引のポイント。そもそもポイント付与は、グリコのおまけ(少し古いたとえですが)のようなお得感で販売を促進するようなものだったと思うのですが、それが金融取引にまで普及しているのにはやや違和感もあります。ある銀行の航空会社のマイルとの連携では、年に1度ハワイ往復できる勢いでポイントが貯まるようです。
最後に不動産購入のカード決済です。不動産仲介手数料ならまだわかりますが、それどころか、不動産本体の決済にクレカが使えるケースが一部の「経済圏」にあるようです。例えば5000万円の物件を購入するケースでは、その1%の50万円分のポイントが貯まるようです。
こうしてみると、結構な還元額ですね。しかし、株式や債券のように企業の資金調達に資するものではありませんから、見えにくい形で私たちも何らかの「対価」を支払っているのかもしれません。個人情報もあるでしょうし、他の良い選択肢から遠ざけられているのかもしれません。手続きには案外時間も取られます。ご利用は、あくまで計画的に…。