米ドル/円 当局の為替介入への警戒感が一段と高まり、波乱含みの展開 週間予想レンジ:151.00~156.50

先週(4月15日週)は続伸、34年ぶりの円安水準を再更新

先週の米ドル/円は再度大陽線を形成し、154.80円のトライをもって34年ぶりの円安を再度記録した。先々週の騰勢を踏襲する形となり、米ドル売り/円買いといった逆張り筋の損切りを一段と加速させた模様だ。当局の為替介入が必至と見られる中、変動幅の拡大を覚悟しておきたい。

為替介入への警戒感が高まる中、今週(4月22日週)は波乱含みの展開

国際投機筋は総じて円安の方向に向かっており、当局の為替介入が意識されながらも、上値をトライしていたため、今週は一旦155円乗せ、また吹き値があってもおかしくないとみている。

その半面、当局の為替介入は必至とみられ、155円以上の値動きがあれば、当局の米ドル売りで波乱する市況になりそうだ。この場合は単純にテクニカルの視点ではフォローし切れない可能性があるため、慎重なスタンスをもって臨みたい。「ミセス・ワタナベ」と総称される日本の個人投資家が、為替介入を意識した逆張りに集中していたが、先週の続伸でさらに損失を膨らませたと推測され、また損切りのタイミングなどに関する憶測もあって、難しいタイミングに差し掛かっている。

テクニカル視点:続伸した分、順張りしかできないが、為替介入を想定し、一旦見送りを

当局の為替介入に対する警戒があったからこそ、「ミセス・ワタナベ」の逆張りを促進させ、また結果的に為替介入の行動を後ずれさせている。ただし、さすがに155円大台以上の値動きは当局が容認できないと思われ、今週は非常に難しいタイミングにあるだろう。

4月15日の日足も大陽線となり、また4月11日、12日の保ち合いの期間を大上放れした分、強気構造の継続を示唆している。為替介入という特殊な要素を除き、本来なら順張りしかできず、米ドルの一段高を想定しため、156円を一旦乗せてもサプライズとはならないだろう。

単純にテクニカルの視点でみると、さらに新たな段階に入り、4月15日の陽線を早期に否定できない限り、米ドルの反落は想定しづらく、当局が実際に為替介入するまで、吹き値(米ドルの一段急伸)も想定しなければならない。当然、介入のタイミングに関する推測も基本的に憶測にすぎないため、逆張りは禁物であることを強調しておきたい。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値圏を維持しても変動レンジは拡大へ 週間予想レンジ:97.50~100.50

先週(4月15日週)は波乱、想定と反して変動率が拡大

先週、豪ドル/円は週足では陽線で大引けしたものの、一時97.76円まで急落し、大引けは99.23円、そして高値は100.05円だった。そのため、非常に波乱した値動きだった。想定と反して変動率が拡大しており、今週も同じ変動率になりそうだ。

今週(4月22日週)も高値圏を維持できるが、変動レンジの拡大を想定

当局の為替介入がない状況では、豪ドル/円が高値を更新していくには力不足であり、先週の値動きはその一環とみている。豪ドル/円は先週一旦98円割れし、その後高く大引けしたものの、変動率の拡大があってかえって上値圧力を証明した。今週も早期に100円以上に定着できなければ、頭の重い展開が想定され、またザラ場における下値トライの可能性を否定できない。

テクニカル視点:当面底割れのリスクが小さいものの、頭打ちのサインが強化されていく見通し

豪ドル/円における4月9日の一旦高値更新は本来非常に強いサインであった。なぜなら、4月4日の「スパイクハイ」を否定することとなり、本来上放れの機運を高める存在であったが、その後の失速や反落、さらに4月19日に一旦78円割れがあったことから、当面の頭の重さを証明していたとみている。

仮に米ドル/円の吹き値や、それに連動した値動きがあっても上値に限定されたものだろう。4月12日罫線が示した「弱気リバーサル」のサインを早期否定できない限り、なお高値圏での推移を維持できても、頭の重い展開になりかねない。さらに、後ずれとはいえ、為替介入自体は実施される可能性が高いと考えるため、実施された場合はさらなる波乱も覚悟しておきたい。とはいえ、為替介入があった場合、想定より反動率がさらに拡大される恐れがあるため、豪ドル/円においても単純にテクニカルの視点ではフォローし切れないリスクも覚悟しておく必要があるだろう

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成