東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。116円高の38,587円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めるとまもなくしてマイナスに転じ9時40分前に310円安の38,160円まで下落しました。

その後下げ渋ると後場に入り小幅にプラスとなる場面もありましたが、節目の38,500円を上回ったところでは上値が重く引けにかけて再び大きく下げ幅を広げると結局509円安の37,961円で取引を終え安値引けとなりました。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

国際通貨基金(IMF)が中東情勢の緊張などでコンテナ輸送費が2.5倍になる可能性があるとの試算を出したことで大手海運株が買われました。川崎汽船(9107)が一時5.7%高となったほか、商船三井(9104)が一時2.6%高、日本郵船(9101)も一時2.2%高となりました。

レゾナック・ホールディングス(4004)も一時15.4%高となり年初来高値を更新しました。為替水準が想定よりも円安基調で推移していることに加え、半導体材料やHDメディアの需要回復が期初の想定以上に進んでいることなどにより2024年12月期の営業利益の見通しを280億円から470億円に上方修正したことで買いを集めました。

創薬ベンチャーのネクセラファーマ(4565)も一時6.6%高となりました。米ニューロクライン・バイオサイエンシズ[NBIX]と第2相臨床試験を実施中の統合失調症など向け治療薬候補ついて長期の前臨床毒性試験に成功したと発表したことを好感した買いが入りました。

一方で3月の米住宅着工件数が年率換算で前月比14.7%減と3年11ヶ月ぶりの大幅な減少となったことで米国での事業展開を広げる日本の住宅株が売られました。住友林業(1911)が一時3.3%安、大和ハウス工業(1925)が一時1.7%安、積水ハウス(1928)も一時2.8%安となりました。

LINEヤフー(4689)も一時5.9%安となり年初来安値を更新しました。LINE利用者の大規模な情報漏えい問題で再発防止策の内容が不十分とし総務省が2度目となる行政指導を行ったと発表したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は509円安となりました。昨日までの2日間で1,000円以上下げていた反動で買いが先行しましたが、寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めると昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり買い材料に乏しかったこともあって売りが優勢となりました。

また、オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディング[ASML]が日本時間の14時に発表した決算で売上高が大幅減となり市場予想を下回ったことから半導体関連株に売りが出て引けにかけて下げ幅を大きく広げました。節目の38,000円を割り込み安値引けとなったことで警戒ムードが一段と強まりそうです。

なお、日本時間の18日午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、17日の米国ではトラベラーズ[TRV]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)