東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。482円安の38,750円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を大きく広げると後場に入り13時30分過ぎに910円安の38,322円まで下落しました。
その後下げ渋ると14時30分前に641円安の38,591円まで戻しましたが、節目の38,500円を上回ったところでは上値が重く引けにかけて38,500円を割り込むと結局761円安の38,471円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
コニカミノルタ(4902)が一時4.6%高となり年初来高値を更新しました。富士フイルムホールディングス(4901)とオフィス向け複合機やプリンターなどの事務機事業で業務提携に向けた協議を始めると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
ニデック(6594)も一時6.9%高となり年初来高値を更新しました。生成AIサービスなどを運用するデータセンターのサーバーに組み込んで画像処理半導体(GPU)などを冷却する水冷モジュールの生産能力を現在の10倍の月2000台に引き上げると発表したことを好感した買いが入りました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(7599)やオリンパス(7733)が高く、IDOMが一時5.3%高となり年初来高値を更新したほか、オリンパスも一時4.8%高となりました。
さらに東証スタンダード市場では石炭の輸入販売などを手掛ける住石ホールディングス(1514)も27%上昇しストップ高となりました。2024年3月期の営業利益の見通しを58億円から80億円に上方修正したことや、これまで明確な数値目標を設けていなかった配当性向の目安を40%とし、期末配当を従来計画から40円積み増し60円にすると発表したことで買いを集めました。
一方で本決算を発表したJ.フロントリテイリング(3086)が9.2%安となりました。2025年2月期の純利益がシステム投資や前期に計上した売却益の反動などにより前期比で21.4%減となる見通しを示したことで大幅安となりました。
ヤマダホールディング(9831)も一時7.9%安となりました。物価高などに起因する家電の買い控えや暖冬による季節家電の売上不振に加え、巣ごもり需要の反動減等の影響などにより売上高が計画を下回る見通しとなったことなどから505億円とみていた2024年3月期の営業利益の見通しを414億円に下方修正し一転して減益予想となったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は761円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。
また、地政学リスクなども意識され下げ幅を大きく広げ、昨日にサポートとなった一目均衡表の雲の上限(38,823円)や節目の38,500円を割り込みました。そのため警戒ムードが強まりそうですが、昨日と本日の2日間で1,000円以上も下げていることから明日以降の反発に期待したいところです。
なお、21時30分に3月の米住宅着工件数が発表されるほか、22時15分には3月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、16日の米国ではバンク・オブ・アメリカ[BAC]やモルガン・スタンレー[MS]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)