【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,735.11  ▼248.13 (4/15)
NASDAQ: 15,885.02  ▼290.08 (4/15)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出て続落となりました。92ドル高でスタートしたダウ平均は直後に403ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じ取引終盤には325ドル安まで下落しました。その後は引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局248ドル安の37,735ドルで取引を終え6日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も290ポイント安の15,885ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

3月の米小売売上高は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。一方で4月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス14.3と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。また、4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も前月から横ばいの51となり市場予想を下回りました。2月の米企業在庫は前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が2%近く下落したほか、不動産とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではデータ管理システムを手掛ける企業の買収に向けて協議を進めていると伝わったセールスフォース[CRM]が7%を超える下落となったほか、アップル[AAPL]も1-3月のスマホの出荷が減少したとの調査結果を受けて2%以上下げました。マイクロソフト[MSFT]も2%近く下落し、ビザ[V]とホーム・デポ[HD]、アマゾン・ドット・コム[AMZN]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、ボーイング[BA]も1%以上下げています。一方で決算が市場予想を上回ったゴールドマン・サックス[GS]が3%近く上昇し、インテル[INTC]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ナイキ[NKE]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が安く、世界で従業員の10%以上を削減する方針と伝わったテスラ[TSLA]が5%を超える下落となり、ネットフリックス[NFLX]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%以上下げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%近く下落しています。半導体株も軟調で、エヌビディア[NVDA]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は3月の米小売売上高が市場予想を上回ったことで0.08%高い4.60%となりました。こうしたなかドル円ではさらに円安が進み154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の39,000円を割り込みそうで、昨日同様に押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の11時には中国で1-3月期の国内総生産(GDP)など数多くの経済指標が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)