東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。466円安の39,056円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で702円安の38,820円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直し409円安の39,114円で前場を終えました。

431円安の39,092円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると結局290円安の39,232円と本日の高値で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表したビックカメラ(3048)が一時14.6%高となり年初来高値を更新しました。インバウンド売上の一層の回復が見込まれることや、販管費全体の抑制に取り組むことなどにより158億円とみていた2024年8月期の営業利益の見通しを195億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。

本決算を発表した中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(7599)も27.7%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。2025年2月期の営業利益が前期比で26%増となる見通しを示し市場予想を上回ったことで買いを集めました。

東京電力ホールディングス(9501)も一時6.5%高となり年初来高値を更新しました。原子力規制委員会が停止中の東京電力柏崎刈羽原発7号機について原子炉内へ核燃料を搬入する計画を承認したと伝わったことで原発再稼働を期待した買いが入りました。石油資源開発(1662)も一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。原油先物価格が一時約5ヶ月半ぶりの高値水準となったことで収益の改善を期待した買いが入りました。

一方でアステラス製薬(4503)が一時8.6%安となり年初来安値を更新しました。無形資産の減損損失の計上などで通期の純利益の見通しを580億円から30億円に下方修正したことで大幅安となりました。上期決算を発表したジンズホールディングス(3046)も16.7%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。中国の販売不振などにより2024年8月期の純利益の見通しを31億円から29億円に下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は290円安となりました。先週末の米国市場が大幅下落となったことや中東情勢の緊迫化を受け売りが優勢となりました。一時は節目の39,000円を割り込み700円以上下げる場面もありましたが、一目均衡表の雲の上限(38,881円)を小幅に下回ったところで下げ渋ると39,000円を上回って取引を終えました。そのため押し目買い意欲は健在だといえそうで、39,000円を下回ったところでの底堅さが意識されそうです。

なお、2月決算企業の本決算発表が続いています。本日も引け後にはJ.フロントリテイリング(3086)や東宝(9602)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には3月の米小売売上高や4月のニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されるほか、15日の米国ではゴールドマン・サックス[GS]が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)