米ドル/円 引き続き日銀当局の為替介入を警戒、投機筋主導で波乱の公算 週間予想レンジ:150.50~153.50

先週(4月1日週)の値動きは限定的、ブレイク待ちの状況

先週は高値圏にて限定的な値動きとなった。一旦151.96円までトライしたものの、先々週の高値を更新できず、4月5日は一旦150.81円を打診した。ただし、円売りのニーズが強く、日銀当局による為替介入に対する警戒感が引き続き強いが、なお上値志向が強い。4月5日の陽線引けでわかるように、米ドルの下値は限定的と考えられる。

為替介入への警戒感が引き続き強いまま、今週(4月8日週)は上値トライの見通し

投機筋は総じて円安の方向に向かっており、日銀当局の為替介入が意識されながらも、敢えてトライするといった可能性があり、今週もその動きが踏襲されるだろう。先物やオプションといったデリバティブを絡んだ取引、及びそれらに関する思惑で波乱する公算も高く、先週の陽線引けでむしろその傾向が一段と強化されている。

テクニカル視点:高値圏での保ち合いは上値トライの一環

日銀当局の為替介入に対する警戒で先々週と同様、先週も値動きは限定的だった。しかし、週足では先々週の値幅を「かぶせた」形での陽線となり、これは上値トライの一環とみなせるだろう。

4月5日の日足は一旦151円を下回ったものの、大引けは高く、3月21日陽線と同様、「スパイクロー」のサインを点灯しながら、底堅い推移を示唆していた。高値圏での保ち合いを継続しながら、典型的な「ブレイク待ち」のパターンとなり、上値志向の強さをかえって証明している。

3月21日の「強気リバーサル」のサインを早期に否定できない限り、何等かの材料なしでは安易にトレンドを修正できず、4月5日の罫線が同じサインの点灯をもってその蓋然性を強化している。そのため、日銀当局の為替介入が現実味を増すのもほぼ確実だろう。しかし、一旦吹き値があっても日銀当局がたちまち為替介入してくるとは限らないため注意が必要である。いずれにせよ、頭打ちが確認されるまで、逆張りは禁物だろう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値圏でもなお強い上値トライへの意欲 週間予想レンジ:98.50~101.50

先週(4月1日週)は高値再更新をしたものの、上値圧力を確認

先週、豪ドル/円は再度高値更新を果たした。しかし、僅かな更新でその後反落し、上値圏に留まったものの、上値圧力を示唆した。一方で、上値圧力の存在は、これから早期に効き目がない限り、却って投機筋の意欲を刺激し、さらなる上値トライの機運を高めるのではないか。

今週(4月8日週)は再度上値トライの蓋然性が高いものの吹き値があれば、その後大きく反落といった波乱の市況を覚悟

日銀当局の為替介入なしという前提では、豪ドル/円が高値を更新していくには力不足だろう。先週4月4日に一旦高値更新を果たしたものの、大引けではかなり反落し、日足では「スパイクハイ」のサインを点灯させ、高値圏の圧力を証明した。ただし、3月20~22日の罫線の組み合わせで示した弱気サインの否定という形になった。つまり、高値更新した自体、「鬼より怖い一文新値」となったわけである。

テクニカル視点:頭打ちのサインが早期に否定されたからこそ、さらなる上値トライの余地

豪ドル/円は3月21日の高値更新や100円心理大台の打診があったことから目標達成感が大きかったが、先週の高値再打診をもって同達成感を帳消し、さらなる上値志向の強さを示唆した。

その反面、僅かな高値更新となり、4月4日の「スパイクハイ」のサインもあって、何等かの材料なしでは再度上値トライには時間がかかることも示されている。もっとも、この変動は米ドル/円の動向次第となり、米ドル/円と同様、日銀当局の為替介入が実施された場合は値幅の拡大を引き続き覚悟しておきたい。

この場合、単純にテクニカル視点ではフォローしきれないリスクも大きく、吹き値があればむしろ注意が必要だろう。 この意味合いにおいて、上値圧力の存在も必要以上に捉えないほうが賢明であり、臨機応変のスタンスが望ましいだろう。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成