売りが一巡したあとは、買い戻しでしっかりの展開を予想

東京株式市場は名実ともに4月相場に突入しました。3月最終週の大きな需給イベントが通過したところですが、今週は4月1日のように新年度入りによる機関投資家からのリバランス売りなどが予想され、それに便乗した短期筋による先物の売り仕掛けなどが加われば、全般的に下押す場面がありそうです。

ただ、米ドル円が高値水準を維持していることから、短期筋は大きく動いてない様子です。週間のスケジュールからはリバランスの売り以外に逆風となる悪材料は想定しづらく、売りが一巡したあとは買い戻しでしっかりの展開が予想されます。

為替介入の場面でも円高に振れるのは一時的か

米ドル/円が高値圏でもみ合いを続けており、米ドルの円に対する先高期待が根強くあります。米経済指標の結果を通じて程よい長期金利の上昇につながれば、直近のレンジを上抜ける米ドル高・円安方向への動きが予想されます。日銀・政府の為替介入に対する警戒も高まっていますが、実際介入で円高に振れる場面があったとしても一時的との見方が優勢ではないでしょうか。

安川電機(6506)の決算は、中国の景況感に対する受注見通しなどが焦点

今週は小売企業などの本決算がいくつか出てくる他、サーボモータや産業用ロボットなどの製造を手がける安川電機(6506)の本決算発表が予定されています。3月の中国製造業PMIは50.8と前月より1.7ポイント上昇し、好不況の節目となる50を超え景気改善を示しました。

安川電機の決算に対する株価の反応は翌週になりますが、中国の景況感に対する受注見通しなどが焦点となります。第3四半期までの売上収益に関しては、中国を除くすべての地域において前年比で増加しており、中国の改善見通しが示されれば同社株だけではなく、他の中国関連株への刺激材料になるとみられます。安川電機の2月中旬からの株価の妙な強さが気になるところです。

中国関連業種では、2023年の前半から出遅れ感の強い非鉄セクターの筆頭である住友金属鉱山(5713)の株価トレンドも良い方向に変化の兆しが出てきたようにみえます。

4月は海外投資家の買い越し額が大きくなる傾向

4月は海外投資家が日本株をよく買う特異月として有名です。2003年以降の累計でみると、12ヶ月の中で最も買い越し額が大きくなる傾向があります(新型コロナショックで急落した2020年は売り越し)。日経平均の3月の月足は3ヶ月連続の陽線で終えました。

この勢いなら2024年も買い越しが見込めそうですが、日経平均はバブル時からの時間軸でみた「207」ヶ月の対等日柄でいくと、4月を分岐に上げ相場は一旦終了する可能性も高く、あくまでも銘柄選びは出遅れ狙いに徹したいところです。