東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発となりました。119円高の40,517円で寄り付いた日経平均は直後に54円高の40,452円を付けた後上げ幅を広げると前引け間際に413円高の40,811円まで上昇し406円高の40,804円で前場を終えました。435円高の40,833円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると14時30分過ぎに581円高の40,979円まで上昇しました。その後は伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めましたが、引き続き堅調に推移すると結局364円高の40,762円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

国土交通省が発表した2024年の公示地価(全用途の全国平均)の伸び率がバブル期以来33年ぶりの高さとなったことで大手不動産株が買われました。三菱地所(8802)が一時4.1%高、三井不動産(8801)が一時3.4%高、住友不動産(8830)も一時6.1%高となりました。三菱地所が昨年来高値を更新し、住友不動産も上場来高値を更新しています。大日本印刷(7912)も一時5.0%高となりました。最先端半導体の国産化を目指すラピダス向けに回路形成に使う部材フォトマスクを2027年度に国内で量産すると伝わったことで将来的な業績の拡大を期待した買いが入りました。北陸電力(9505)も一時5.8%高となりました。第4四半期の水力発受電量の増加に伴う好転を見込み750億円とみていた通期の営業利益の見通しを1000億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。西華産業(8061)も一時15.7%高となり昨年来高値を更新しました。追加工事や納期前倒しの案件が積み上がったことや、主要国内外子会社において従来予想を上回る業績見通しとなったことなどから45億円とみていた通期の営業利益の見通しを53億円に引き上げたことで大幅高となりました。また、コーセー(4922)が投資判断の引き上げを受けて一時8.0%高となったほか、M&Aキャピタルパートナーズ(6080)も目標株価の引き上げを受けて一時6.6%高となっています。一方でホイール最大手のトピー工業(7231)が一時7.3%安となりました。国内自動車メーカーの品質問題に伴う減産等の影響で100億円とみていた通期の営業利益の見通しを93億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は364円高となりました。一時152円近くまで進んだ円安に加え、期末配当取りを意識した買いや、パッシブファンドによる配当の再投資への期待もあり上げ幅を大きく広げると、22日に付けた史上最高値(40,888円)を上回り節目の41,000円手前まで上昇する場面もありました。そのため高値更新への期待が改めて高まりそうで、明日はこうしたなかで260円弱とみられる配当落ちをどれだけ埋めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)