東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。69円安の40,345円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で105円安の40,308円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し9時50分過ぎには115円高の40,529円まで上昇しました。しかし、節目の40,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むとマイナスに転じ49円安の40,364円で前場を終えました。

67円安の40,346円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに133円安の40,280円まで下落した後持ち直すと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局16円安の40,398円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱重工業(7011)が一時3.0%高となり上場来高値を更新しました。日英伊3ヶ国が共同開発・生産する次期戦闘機の第三国への輸出を解禁するため、政府が防衛装備移転三原則の運用指針を改めたと伝わったことで次期戦闘機の製造などを手掛ける三菱重工業に買いが向かいました。

IHI(7013)も一時8.6%高となりました。航空エンジンやボイラーなどの販売が伸びることから2025年3月期の営業損益が約1100億円の黒字になる見通しで、米社製航空エンジンの品質問題で800億円の赤字になる今期から一転、来期は最高益になると伝わったことで大幅高となりました。

紀文食品(2933)も一時6.0%高となり昨年来高値を更新しました。国内外での製品の拡販や製品開発、生産や物流の効率化などのためマルハニチロ(1333)と資本業務提携すると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。

あみやき亭(2753)も一時14.0%高となり昨年来高値を更新しました。適正な価格政策や事業ポートフォリオの最適化を見据えた業態変更、不採算店舗の撤退による収益力改善の取り組みを実施したことなどにより通期の営業利益の見通しを上方修正したことで買いを集めました。

一方で中期経営計画を発表した日産(7201)や東急(9005)が売られました。日産は2027年3月期までの3年間の経営計画「The Arc」を発表し営業利益率6%以上を目指すとしましたが、4.8%と見込まれている今期からの改善が小幅で物足りないとの見方が出て一時6.0%安となりました。

東急も2027年3月期を最終年度とする中期3ヶ年経営計画を発表し最終年度の営業利益の目標を950億円としましたが、900億円と見込まれている今期からの成長が50億円に止まることを失望した売りが出て一時9.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は16円安となりました。利益確定の売りが出て昨日の米国市場が下落となったことで続落となりました。寄り付き直後に下げ渋ると一進一退の展開となりプラスとなる場面もありましたが、節目の40,500円を上回ったところで伸び悩むと小幅に下げて取引を終えました。

しかし、先週に2,200円近く上げた後であることからすると一旦上値が重くなるのは当然で、下げ渋ったことから底堅さも意識されそうです。なお、日本時間の21時30分に2月の米耐久財受注額が発表されるほか、23時には3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

また、明日は3月末決算銘柄の権利付き最終売買日です。配当取りの買いに加え、引けにかけてパッシブファンドによる配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)