このところ日本株がさえません。2月22日に過去最高値を更新した日経平均は、再びこの水準を割り込んでいます。全くの余談ですが、この日は「猫の日」でした。経済系メディアに愛猫とともに登場する企画が最高値更新のニュースで流れてしまったことから、無念さとともに日付を鮮明に記憶しております。

では、この下落は、一時的な調整なのか、バブルの崩壊の始まりなのか、大変気になるところです。

私もバブル崩壊については、過去多くの場面に遭遇し、リサーチもしてきました。それらの経験値から考えると、今回については、まだ株式市場のバブル崩壊の特性は示していないと感じています。

理由の一つ目は、株価のパターンです。バブル末期の時は、株価の変動がどんどん激しくなっていく傾向があります。まだ上がる、いやもう高すぎる、という異なる見方が交錯し、最後に、高すぎると思う勢力が勝つと下落し始めます。リーマンショック時の株価等がこのパターンを辿りました。しかし、今の市場の動きはまだそこまで神経質ではありません。

第二に、過去のバブルは、最初は有望な「コア資産」が上昇し、その後、上昇がその周辺の資産に広がる傾向があります。例えば日本の土地バブル末期には、辺境のリゾートマンションが高騰しましたし、2018年初頭の暗号資産の暴落直前には、オルトコインブームが発生しました。

今回の「コア資産」は、なんといっても生成AI関連・半導体関連銘柄でしょう。それ自体の価値については様々な見方があり、個別に下落する株式もあるかもしれません。問題はそれが市場全体の崩壊につながるかどうかですが、コア資産 vs 周辺資産の価格パターンで確認すると、今の株式市場では、まだコア資産以外の銘柄が理由なく買われている印象はありません。半導体関連銘柄の上昇率は年初来40%を超えているのに対し、東証株価指数の上昇率は12%程度に留まっていることも、投資家が冷静に銘柄選定を行っていることの表れだと感じます。

それ以外にも、商業用不動産ローンなどの金融ショックの可能性も話題に上りますが、これらのリスクもまだ高くないのではと思っています。その根拠などは、今日(3月13日・水)の18:30からのピクテのオンラインセミナーでも補足したいと思っています。御覧いただけると励みになります!

最後は宣伝で恐縮です…。