米ドル/円 週間予想レンジ:144.00~149.00

メインストラテジー:頭打ちを確認、反落が続く

・頭打ちの構造が継続
・日銀政策に対する思惑が市場を主導

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週の米ドル/円相場は大きく反落し、一時146.48円まで打診、頭打ちの構造となった。日銀による早期金融政策正常化といった思惑が市場に広がり、米金利の低下と相まって、米ドル売り/円買いの両方となった。

そもそも、先々週に反落し、陰線で大引けした時点で頭打ちの可能性があった。調整(反落)しやすい時期に入っていただけに、先週の続落自体はサプライズではなかった。

2月後半まで高値圏にて小幅変動し、値幅は限定的だったうえ、高値更新できなかったことが反落の兆しであった。なぜなら、年初来一貫した上昇が続いて2月13日まで続伸しており、一旦150.90円の打診をもって強気変動を示唆していたため、本来は高値更新があっても自然ななりゆきだと思われた。

しかし、筆者は慎重な見方を維持してきた。一気に151円手前まで急伸しただけに、高値追いも避けたほうが良いと繰り返し解説してきた。そして、先週の大幅続落を振り返ると、この見方は正しかったと証明されたと言える。そのため、これからさらなる反落余地を想定できるだろう。

日米金利差の拡大が円安の進んだ最も大きな背景であったが、金利差だけで151円近くまで上昇した米ドル/円の値動きを説明することはできなかった。この意味合いにおいては、足元で日米金利の縮小があったことで、米ドル/円の反落幅が拡大されたことは自然な成りゆきであった。

もちろん、日銀政策に関する憶測も大きな材料であった。早期に政策修正の可能性があるという報道が多く、そのため市場参加者の多くは疑心暗鬼となり、その可能性を警戒したからこそ、円売りポジションの買い戻しが盛んであったと推測される。

その分、日足では大きなサインを点灯していた。それは他ならぬ、2月13日の大陽線を「母線」とした「インサイド」のサイン(2月28日まで)が2月29日の陰線をもって下放れされたことだ。さらに、2月29日の陰線を「母線」とした「インサイド」のサイン(3月5日まで)も3月6日をもって下放れとなり、これから2月安値の145.89円割れに照準を当てるだろう。

200日移動平均線は足元では146円前半に位置し、2月安値の更新があれば、米ドル/円の構造上における弱気変動を一層引き起こすだろう。2023年年末や2024年年初でも同線を一旦下回ったものの、日米金利差の再拡大で再度同線を上回り、その後150.090円の打診に繋がった。

しかし、米利下げサイクルにすでに入っている以上、日米金利差の再拡大は想定しにくい。そのため、今回の米ドル安/円高は、200日移動平均線を下回るのであれば、息の長い下落波動となる可能性もあるだろう。

豪ドル/円 週間予想レンジ:96.00~98.50

メインストラテジー:レンジ変動が続く

・上放れに再度失敗
・中段保ち合いを拡大

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週続落し、先々週の反落を踏襲していた。そのため、目先としては強気変動が一旦後退しているとみている。

もっとも、先々週の反落は上昇トレンドの進行を一服させた。本来であれば、100円心理大台の直接打診があってもおかしくなかったが、同週の反落でその流れが一旦緩和されたことにより、同大台の打診があっても後ずれになるという見通しは正しかった。

2月23日まで大きく続伸し、99円に一旦トライした。本来高値を追う段階にあったが、先々週日銀の高田審議委員の発言で日銀による早期政策修正の憶測が出回り、円売りポジションの決済を促した。そのため、先週の続落がむしろ当然の成りゆきとなり、この影響は当面続くと思われる。

しばらく豪ドル/円も頭の重い展開が続く見通しは変わらない。ただし、米ドル/円と異なり、豪ドル/円はベアトレンドへ転換する可能性は低く、あくまで上昇一幅として再度スピード調整となる可能性が大きいと考えられる。

豪ドル/円は強気基調を保っており、また構造上のメリットがある。改めて振り返ると、2月中旬(2月12日~)の値動きが重要であった。同週に98.28円の高値打診をもってレンジ変動が終焉し、すでに上放れを果たしたことを示したため、2月後半のさらなる上値トライに繋がったわけだ。

もっとも、2月半ばまで豪ドル/円は98円の大台を突破できずにいた。そのため、2月最初の週まで、ロング筋の力尽くしが観察され、一気に急落していた。また、ロングポジションの狼狽決済をもたらしたとも推測された。

しかし、2月1日の日足自体が典型的な「スパイクロー」のサインを点灯し、年初来安値を更新しただけに、その大引けが高く、「フォールス・ブレイクアウト」の可能性を暗示していた。その後の切り返しも順調で、またその後98円のブレイクをもって強気変動への復帰を示し、前述のサイン(フォールス・ブレイクアウト)の蓋然性を証明した。

従って、先週のコラムでも解説したように、上値トライの後ずれがあったものの、上値志向自体は維持されるだろう。これから中段保ち合いの延長や再構築があると推測されるが、地合い固めの波動があるからこそ、上値トライ自体が一段と上昇モメンタムの増加や上値ターゲットの上方修正に繋がるはずだ。
言い換えれば、前述のフォールス・ブレイクアウトのサインが本物である以上、これから豪ドル/円の頭が重いことが推測されても、あくまで中段保ち合いの再拡大にすぎず、整理してからまた上値トライをできると見ている。言ってみれば、これからは基盤を固める段階だろう。

そもそも、豪ドル/円の回復ぶりは常に想定より早かったことも強気構造を固めた。2023年12月7日に急落し、一旦94円を割り込んだのは、米ドル/円の変動につられた値動きだった。大きく反落しただけに、基調が一旦「崩れ」、回復に時間がかかると思われたが、実際は想定より早期に回復し、強気構造を暗示していた。

その半面、先週は98円前半にて再度頭の重さが確認されたため、当面レンジの下限を探る値動きを強めるだろう。本格的な底打ちのサインが点灯されるまで、押し目買いのスタンスが維持されたとしても、性急な行動は避けたほうがよいだろう。