東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに小幅反落となりました。227円安の39,881円で寄り付いた日経平均は10時30分前に268円安の39,840円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋るとやや戻し168円安の39,940円で前場を終えました。さらに下げ幅を縮め130円安の39,978円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎにプラスに転じ13時20分過ぎに117円高の40,226円まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと引けにかけてやや売りが優勢となり結局11円安の40,097円で取引を終えています。一方でTOPIXが上昇となったほか、新興市場も堅調で東証グロース市場250指数が小幅に上げています。

2.個別銘柄等

大林組(1802)が20.6%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。配当方針を変更し、2024年3月期の配当計画を従来から30円積み増し年72円にすると発表したことで買いを集めました。他のゼネコン大手にも買いが波及し大成建設(1801)が一時9.2%高、清水建設(1803)が一時6.7%高、鹿島建設(1812)も一時7.9%高となり、鹿島建設は昨年来高値を更新しています。セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)も一時3.9%高となりました。気温の上昇とともに春物需要が高まり2月の既存店売上高が前年同月比で14.4%増と高い伸びとなったことで買いが優勢となりました。また、日経平均の構成銘柄の定期見直しで新たに採用が決まったZOZO(3092)とディスコ(6146)が高く、ZOZOが一時9.5%高となり昨年来高値を更新したほか、ディスコも一時5.2%高となり上場来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では漫画古書などの販売を手掛けるまんだらけ(2652)が一時14.9%高となりました。1株を5株にする株式分割を発表したことで投資家層の拡大を期待する買いが入りました。一方で内田洋行(8057)が一時13.8%安となりました。インボイス(適格請求書)制度が始まったことを受け企業向け業務システムの改修案件が増えたことなどにより上期の営業利益は前年同期比で29%増となりましたが、第2四半期3ヶ月間の営業損益がわずかながら赤字となったことで売りが膨らみました。ゴムや化学品の技術商社である三洋貿易(3176)も一時9.1%安となりました。東銀リースと三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、農林中央金庫が保有する三洋貿易株を売り出すと発表したことで株式需給の悪化を懸念した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は11円安となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りが出て反落となったことで小幅に下落となりました。しかし、一時は270円近く下げ40,000円の大台を割り込む場面もありましたが、押し目買いが入り下げ渋ると後場にはプラスとなる場面もありました。そのため先高観は依然として強いといえそうで、今週は短期的な過熱感があるなかでどこまで水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、日本時間の6日午前0時には2月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)