東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。27円高の39,260円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで192円高の39,426円まで上昇しましたが、利益確定の売りが出て伸び悩むとマイナスに転じ11時20分過ぎには120円安の39,113円まで下落しました。しかし、下げ渋ると昨日の終値を挟んで一進一退の展開となり結局5円高の39,239円で取引を終え史上最高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が一時3.2%高となりました。昨日の米国市場で半導体関連株が買われ傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も9%を超える上昇となったことで買いが優勢となりました。オムロン(6645)も一時3.0%高となりました。中国向けを中心にファクトリーオートメーション(FA)機器事業が不振で固定費を削減するため国内外で合計2,000人の人員を削減すると発表したことから構造改革を評価した買いが入りました。日立造船(7004)も一時9.5%高となり昨年来高値を更新しました。半導体製造装置メーカー向けに生産にかかる期間やコストが削減できる半導体製造装置に組み込む全固体電池を初めて受注したと発表したことを材料視した買いが入りました。ファクトリーオートメーション(FA)や金型部品などを手掛けるミスミグループ本社(9962)も一時5.7%高となりました。欧州やインドなどの海外地域の自動車関連で設備投資の需要が伸びていることなどから1月の月別売上高が前年同月比で16.1%増と高い伸びとなったことを好感した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて日本製鉄(5401)やSMC(6273)が高く、日本製鉄が一時4.2%高となったほかSMCも一時3.2%高となり、SMCは上場来高値を更新しています。一方で楽天グループ(4755)が一時3.9%安となりました。楽天グループが「楽天市場」における月額の出店料を約3割引き上げると伝わったことで、値上げによる出店数の減少を懸念した売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は5円高となりました。一時150円台後半まで進んだ円安や昨日の米国市場での半導体株高を受けて買いが優勢となりました。前場に190円以上上げる場面もありましたが、買い一巡後に上げ幅を縮めると一時マイナスとなるなど伸び悩みました。しかし、小幅な上昇に止まったものの3日連続での史上最高値更新となったことから先高観は依然として強いといえそうで、今週は短期的な過熱感から利益確定の売りが出やすいなかでどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分に1月の米耐久財受注額が発表されるほか、28日午前0時には2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)