東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。39円高の38,510円で寄り付いた日経平均はしばらく昨日の終値を挟んで小幅にもみ合いましたが、中国の景気刺激策を受けて10時頃から上げ幅を広げると10時30分には271円高の38,742円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じ31円安の38,438円で前場を終えました。119円安の38,351円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に182円安の38,288円まで下落した後下げ渋ると14時50分過ぎに3円安の38,466円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局106円安の38,363円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

アイシン(7259)が一時4.0%高となりました。トヨタ(7203)が部品の仕入れ価格について2025年3月期の上期から労務費などの上昇分を反映させると伝わったことで収益の改善を期待した買いが入りました。他のトヨタ系の部品メーカーも高く、デンソー(6902)が一時1.8%高となり上場来高値を更新したほか、小糸製作所(7276)も一時1.9%高となりました。半導体商社の佐鳥電機(7420)も一時14.3%高となり昨年来高値を更新しました。オランダの半導体設計会社「MAGnetIC Holding B.V.」の発行済み株式の80%を取得し連結子会社化すると発表したことで買いが膨らみました。スギホールディングス(7649)も一時4.4%高となり昨年来高値を更新しました。2025年2月期の配当予想を発表し、株式分割を考慮すると実質25円の増配となることから買いが優勢となりました。日本調剤(3341)も一時3.6%高となりました。消却前発行済み株式数の3.12%にあたる100万株の自己株式の消却を発表したことで自己株式の再放出による需給悪化懸念が後退しました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて日東紡績(3110)が一時14.4%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新したうえ、三菱重工業(7011)も目標株価の引き上げを受けて一時3.4%高となり昨年来高値を更新しています。一方で滋賀県で食品スーパーを展開する平和堂(8276)が一時6.5%安となりました。2024年2月期の純利益を83億円から67億円に下方修正したことに加え、株式の売り出しを発表したこともあり大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は106円安となりました。中国人民銀行(中央銀行)による住宅ローン向け指標金利の引き下げといった中国の景気刺激策を好感した買いが入り一時は270円以上上げる場面もありましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると売りが優勢となりました。しかし、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が依然として5%を超えていたことからすると本日も昨日同様にスピード調整とみることができそうで、押し目買いが入り下げ渋る場面もあったことから1989年12月29日に付けた過去最高値(38,915円)更新への期待は引き続き高いといえそうです。なお、日本時間の21日午前0時には1月の米景気先行指標総合指数が発表されるほか、20日の米国ではホーム・デポ[HD]やウォルマート[WMT]といった小売り大手の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)