市場予想上回る経済指標で金利上昇、株下落
先週久しぶりに米国株市場は下落しました。S&P500は0.42%下げ、ナスダック100も1.54%の下げです。
先週マーケットが注目していた経済指標は2月13日(火)のCPI(消費者物価指数)でしたが、事前予想を上回ったため、金利が上昇する一方、S&P500は1.37%下落、テクノロジーの割合の高いナスダック100は1.58%の下げ、また小型株指数のラッセル2000は3.96%と大きく下げました。
ただ、翌日14日(水)には、マーケットはリバウンドしました。このような反応を見ると、マーケットは、今後利下げが起き、ソフトランディングするという希望を失っていないと解釈できます。13日(火)の動きは、マーケットがピークをつけたというより、単に利益確定売りの言い訳と言えるでしょう。
2月16日(金)には同じく予想を上回ったPPI(生産者物価指数)の発表を受け、マーケットは下がって1週間を終えました。実はこの日マーケットはプラスで推移していたのですが、午後に入り2時半以降売られる展開となったのです。これは2月19日(月)がアメリカではプレジデント・デー(ワシントン誕生日)の祭日であり、3連休の前にポジションを落としておきたいという投資家の動きがあったのだと考えられます。1ヶ月間の経済指標だけで、今後のマーケットのトレンドが決まるものではありませんから。
先週ラッセル2000は1.13%上げており、大型株を中心としたマーケットのラリーから、市場の裾野が広がっていることがわかります。また、先週はMSCI新興国指数も2.08%上昇しました。
第2四半期決算が好材料に
第2四半期の決算発表について、396社の発表が終わりました。前年同期比で7%の増益となっています。2023年12月末の時点の予想は1.6%の増益予想ですから、市場の期待を上回る結果となっており、これがマーケット上昇をサポートする材料の1つとなっています。
今週は、世界最大の小売店ウォールマート[WMT]やホームセンター世界最大のホーム・デポ[HD]など小売関係の決算発表が予定されています。
今週のハイライトは、2月21日(水)のエヌビディア[NVDA]の決算発表です。前回11月21日の決算発表では、事前予想は上回ったものの、市場を喜ばせるには十分でなかったこともあり、決算発表後株価は翌日2.5%下げました。ただし、エヌビディア株は、前回の決算発表の翌日から先週末までに49%上昇しています。また、決算の内容だけでなく、会社のマネジメントによるガイダンスにも要注意です。このところの市場のAIのテーマの主人公で、あまりにも期待感が高い銘柄であることもあり、エヌビディアの行方が今後のマーケットの方向性を決めることになりそうです。