クアルコム[QCOM]決算:1株利益は2.75ドルで市場予想を上回る

クアルコムは、ワイヤレス(無線通信)技術の開発・ライセンス供与、スマートフォン用チップの設計を手掛ける。主要な特許技術であるCDMA(符号分割多元接続)およびOFDMA(直交周波数分割多元接続)は、3G/4G/5G移動通信システムのバックボーンネットワークとして無線通信の標準技術となっており、保有する知的財産(IP)は事実上すべて無線通信機器メーカーとライセンス契約が結ばれている。同時に、世界最大のワイヤレスチップのベンダーでもあり、高性能モバイルを製造するほぼ全ての企業に最先端のプロセッサーを供給している。また、スマートフォン向けのRFフロントエンドモジュールや自動車やモノのインターネット(IoT)市場向けのチップも提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比4.9%増の99.2億ドル(市場予想は95.4億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.75ドル(市場予想は2.36ドル)

決算総括

10-12月期(第1四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。今回の決算はスマートフォン向けチップ市場の回復を示唆した。一方、IoT向けチップは引き続き低調だったものの、自動車向けは好調だった。ガイダンスも公表し、1株利益、売上高とも予想を若干上回る見通しを示した。

今後の株価見通し

175ドルを目指す展開が予想される。

ハネウェル・インターナショナル[HON]決算:1株利益は2.60ドルで市場予想を上回る

ハネウェル・インターナショナルは、旧式のサーモスタット装置を製造した、1885年にアルバート・バッツによって創設されたButz-Thermo Electric Regulatorを前身とする。今日では、世界的な多様な産業に対応する巨大企業であり、最大規模の設備のインストールベースを有する一社である。エアロスペース事業部、ビルディング・テクノロジーズ事業部、パフォーマンス・マテリアルズ&テクノロジーズ事業部、セーフティ&プロダクティビティ・ソリューションズ事業部4部門からなる。近年、2016年に Intelligratedを追加したほか、2018年にはGarrett Technologies、Resideoのスピンオフなど、いくつかのポートフォリオ変更を行っている。2019年に、建物、航空会社、重要インフラストラクチャーにおける企業の専門知識を活用するエンタープライズパフォーマンス管理ソフトウェアソリューションHoneywell Forgeを立ち上げた。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比3%増の94.40億ドル(市場予想は96.96億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.60ドル(市場予想は2.59ドル)

決算総括

10-12月期(第4四半期)売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSはやや予想を上回った。ガイダンスも公表し、第1四半期、通期とも予想を下回る売上高見通しを示している。

今後の株価見通し

225ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。 

Tモバイル[TMUS]決算:1株利益は1.67ドルで市場予想を下回る

Tモバイルは、2013年にドイツテレコム傘下のTモバイルUSAと、プリペイド(料金先払い)通信サービスを専門とするMetroPCSの合併により誕生した。合併後、主要市場で全国的なサービスを提供していたが、至るところ普及に偏りが見られた。広範な地域をカバーするのに適した低周波数スペクトラムに積極的に投資し、地理的に事業ネットワークを大幅に拡大してきた。積極的なマーケティングおよび革新的なサービスの提供と相まって、顧客基盤は急速に拡大した。スプリントを買収したことで、現在の事業規模は競合他社とほぼ肩を並べるまで拡大した。ポストペイド(料金後払い)契約顧客数は、7,300万人、プリペイド(料金前払い)契約顧客数が2,100万人にのぼり、リテイル携帯電話市場で30%近いシェアを有する。さらに、再販業者にもホールセール・サービスを提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比1%増の204.8億ドル(市場予想は196.8億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.67ドル(市場予想は1.91ドル)

決算総括

10-12月期(第4四半期)売上高は予想を上回り、調整済みEPSは予想を下回った。通期ベースのポストペイド端末契約者純増、EBITDA(調整後)ガイダンスは両方とも予想を下回った。

今後の株価見通し

200ドルを目指す展開が予想される。

AT&T[T]決算:1株利益は54セントで市場予想を下回る

AT&Tの売上高は、ワーナー・メディアをスピンオフした後、無線通信事業が3分の2を占めている。米国第3位の無線通信事業会社であり、7,000万人のポストペイド(料金後払い)加入者と1,800万人のプリペイド(料金先払い)加入者に対して携帯電話端末接続サービスを提供している。インターネット接続、プライベートネットワーク、セキュリティ、音声、ホールセールネットワーク設備などの企業向け固定通信サービスが売上高の約18%を占める。ブロードバンド・インターネットアクセスサービスと主とする住宅向け固定通信サービスがおよそ11%を占める。メキシコでも高いプレゼンスを有し2,200万人の顧客を有するが、売上高に占める割合はわずか3%である。引き続き衛星テレビを手掛けるDirect TVの株式の70%を保有しているが、財務諸表上では連結対象としていない。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比2.2%増の320.22億ドル(市場予想は314.58億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・54セント(市場予想は56セント)

決算総括

10-12月期(第4四半期)売上高は予想を上回ったが、調整済みEPSは予想を下回った。ポストペイド型携帯加入数は52.6万件増と予想以上の増加となったほか、高速ファイバー・サービスに新規加入した顧客は約27.3万人で予想の25.9万人を上回った。同社のワイヤレス・ブロードバンド事業は2四半期連続で急成長を遂げ、低成長と人員削減という厳しい局面を脱しつつあることを示唆した。ただし、ガイダンスも公表し、通期の1株利益の見通しが予想を下回ったことが嫌気されている。

今後の株価見通し

18ドル超えから、投資タイミングを図ることになろう。

 メルク[MRK]決算:1株利益は0.03ドルで市場予想を上回る

メルクは、循環代謝病疾患、がん、感染症など幅広い治療分野の薬剤を製造する医薬品会社である。がん治療薬では、がん免疫療法の成長性が高く売上高への貢献度が高い。また、B型肝炎、小児疾患、および、子宮頸がん(HPV)、帯状疱疹予防薬などさまざまなワクチンも製造している。さらに、動物の健康のための医薬品の販売も手掛ける。地域別では、売上高の半分弱を米国市場が占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期5.8%増の146.30億ドル(市場予想は144.92億ドル) 
★1株当たり利益(調整後)・・・0.03ドル(市場予想は0.11ドルの赤字)

決算総括

10-12月期(第4四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。1株利益は予想外の黒字となった。主力薬の抗がん剤キイトルーダが好調だったほか、ヒト・パピローマ・ウイルスワクチン「ガーダシル」は予想を下回ったものの2桁の増収となった。パンデミック後に減少しているコロナ薬「ラゲブリオ」を除く売上高の伸びは11%だった。また、通期の売上高は予想範囲内の見通しを示した。同社は2028年に主力薬のキイトルーダの特許満了が迫る中で、新たな成長源を模索している。デービスCEOの下、同社は新たな製品ラインを構築するために数十億ドル相当の契約を結んでいる。

今後の株価見通し

当面135ドルを目指す展開が予想される。