5日移動平均線を挟んだ値動きが継続中
前回のコラムでは、「トリプルトップ(ヘッドアンドショルダーズトップ)の完成に警戒が必要」と解説しましたが、5日移動平均線を挟んだ上下の値動きになったことから、トリプルトップの完成が回避される結果となりました。
一方で、5日移動平均線を挟んだ値動きとなったため、5日移動平均線が細かく上限に変動しているのが分かります。
このような値動きになった時、5日移動平均線の向きに沿ってトレンドを判断しても、細かく変動してしまっていることから上手くトレンドを読み取ることができません。
このような値動きが発生している時にトレンド発生の判断に役立てたいのが、直近の高値と安値です。その高値と安値とは、1月23日の取引時間中の高値と1月26日の同安値です。
5日移動平均線を挟んだ値動きになっている間、この高値と安値の範囲内で株価は推移しており、もち合いが形成されていると考えることができるのです。また、この高値と安値のどちらかを終値でブレイクして維持すると、ブレイクした方向にトレンドが発生していると判断できます。
このように、トリプルトップの形成が警戒される中、トリプルトップの中央の高値とネックラインに相当する安値のどちらかをブレイクできない間は、もち合いが形成されていると考え、トリプルトップの形成が回避されることになるとともに、トレンドが発生するまで買いも売りもポジションを大きくしないようにする必要があるのです。
では、上昇と下落の勢いを表すモメンタムはどのようになっているのでしょうか。
モメンタムは0ラインを割り込む展開、今後に要注意
モメンタムを見ますと、株価はもち合いを続けているもののモメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きで、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているのが分かります。
これはすなわち、下落の勢いが強まりつつあることを示唆しています。このような状況下でモメンタムの低下が続くようですと、これまでの5日移動平均線を挟んだ値動きから、5日移動平均線を下回ったままの状態になって短期的な下降トレンドに変化することが視野に入ります。そのため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。
一方で、モメンタムが低下しても限定的だったり、上向きに変化して0ラインを上回るとともに2本線が上昇したりするようですと、日経平均がもち合いの上限を上回ってもち合いから上放れることも考えられるのではないかと思われます。
いずれにしても、方向を探る展開が続いていることは、移動平均線とモメンタムの両方が示唆していますので、上下どちらかに明確なトレンドが発生するまで慎重に対応するようにしたいところです。