上ヒゲ発生後の高値もち合い/フォーメーションの変化に注意

前回のコラムでは高値圏で発生した上ヒゲの意味について解説しました。また、「5日移動平均線の向き」が重要であるとも解説しましたが、1月30日現在の日経平均のローソク足と5日移動平均線の向きや位置関係を見ると、下向きとなっているもののローソク足は5日移動平均線上を維持して終えているのが分かります。

こうした状況から、前回のコラムで解説したように、トレンド転換のサインにはなっていないことが分かります。そのため、このまま5日移動平均線上を維持するかが注目されます。

仮にローソク足が5日移動平均線上を維持した場合、5日移動平均線が上向きに変化するとともにサポートになって、高値もち合いから上放れることが考えられ、上昇トレンド回復の可能性が高まりそうです。

日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線は5日、75日、200日を表示

ただし、5日移動平均線が下向きであることから、5日移動平均線上を維持できずに下回って戻せなくなるとともに、1月18日の終値を下回ってしまうようですと、1月22日の終値が頭(ヘッド)で、15日の終値と30日の終値がそれぞれ、左肩(ショルダー)、右肩(ショルダー)となるトリプル(ヘッドアンドショルダーズ)トップが完成してしまうことが考えられ、トレンド転換に対する注意が必要です。

一方で、トリプルトップを形成するように見えて1月18日の終値近辺で下げ止まって反発し、1月22日の終値を上回って推移するようですと、トリプルトップが崩れてダイヤモンドフォーメーションに変わり、37,000円台に乗せることが視野に入るのではないかと思われます。

モメンタムの上昇が上放れのカギに、モメンタムの動きに要注目

そうしたなか、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインで下げ止まり、緩やかな上向きに変化しているのが分かります。

そのため、仮にモメンタムとシグナルの両方が水準を切り上げるようですと、上昇の勢いが強まるとともに、トリプルトップ完成を回避するとともにダイヤモンドフォーメーションを形成し、上昇トレンドに戻ることが期待される反面、2本線が低下して0ラインを割り込んだり、0ラインを割り込んだまま低下が続いたりするようですと、トリプルトップが完成して、今後は調整局面入りすることが考えられます。

こうした状況を踏まえつつ、仮にモメンタムが0ラインを割り込んで低下が続いた場合は、売り時を逃さないようにすることに加え、高値掴みを避けることが必要になるのではないかと思われますので、モメンタムの動きに要注目です。