米ドル/円 週間予想レンジ:147.00~150.50

メインストラテジー:レンジの上限をトライ

・米ドル/円は、米雇用統計を受けて急伸
・レンジの上限を一旦打診へ

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週の米ドル/円相場は、大きく動いたものの底堅く推移し、結果的に上値志向を一段と強めた。週足では、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯させ、ここから高値更新があっても規定路線が続くと思われ、少なくとも目先ではサプライズなしと言えるだろう。

2月2日の米雇用統計を受け米ドル/円は急伸、日足では大陽線を形成しこれからの上値余地を強く示唆した。予想より大分強かった1月米雇用統計の結果を受けて、米金利が急上昇したことが米ドルの買い戻しを促し、一気に148.60円をトライした。

同日安値が146.24円、前日安値が145.89円だったことを鑑み、2月2日の大陽線は、実質的に「強気リバーサル」のサインに近かった上、1月24日の高値を一旦ブレイクしただけに、同日を「母線」とした「インサイド」のサインの下放れを否定、却って上値トライの蓋然性を強めたとみている。

既述のように、年初来の切り返しが強かっただけに、先々週の値幅限定の動きが途中の「一服」とみなされた。そのため、先週の「スパイクロー」のサインは、切り返しの継続を示すサインとしてむしろ年初来のトレンドを強化し、これから米ドル/円の150円という心理的な大台の打診につながるだろう。

先々週まではモメンタムの一旦低下が見られたが、先週末の米雇用統計や米金利の切り返しを受けた米ドル全面高が観察され、今週は続伸する公算が大きい。

1月4日から200日移動平均線以上を維持し、また同線より距離を保つところで、基調の改善を示唆していた。先週の一旦反落があったものの、同線よりなお高いところに位置し、基調の修正には性急であることを示唆している。

もちろん、2023年の高値を起点とした下落変動自体を本物とみなし、また切り返しの継続があってもあくまで途中での速度調整に過ぎない、というメインシナリオは変わっていない。しかし、繰り返し解説してきたように、性急な戻り売りは避けたい。総合的に見ると、やはり心理的な大台である150円台の打診なしでは切り返しの「目標達成感」がないようにみえ、今週それが達成される可能性があると考えている。

より長いスパンでフォローする場合、高値更新があれば、再度頭打ちの可能性を重視し、無闇な高値追いもできない。2023年11月13日の高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、すなわち「ダマシ」だったとも考えられる。2022年と異なり、日銀の為替介入なしのトップアウトはより蓋然性があり、また支配力のあるサインでもあった。

従って、数年スパンでのトップアウト、または短期スパンの切り返しがあってもベアトレンドを否定できず、しばらくは上目線でも、近々頭打ちのリスクを同時に意識しておきたい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:96.00~98.00

メインストラテジー:レンジ内でも押し目買いが優勢か

・大きく変動した後に新たなレンジを形成
・一旦上放れのチャンスを逃し、再挑戦
・保ち合いの長引きを覚悟しつつ安値拾い

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週大きく変動した。豪ドル/米ドルの急落につられた形で1月31日と2月1日に大きく反落、一旦95.38円まで安値をトライし、深押しとなった。

なかなか豪ドル/円の98円の大台を突破できずにいたところ、ロング筋の力尽くしが観察された。一気に急落した分、ロングポジションの狼狽決済をもたらしたと推測される。この意味合いでは、しばらくは中段保ち合いが続き、ブル基調へ復帰するには時間がかかると思われる。

一方で、2月1日の日足自体が典型的な「スパイクロー」のサインを点灯し、年初来安値を更新しただけに、その大引けが高く、「フォールス・ブレイクアウト」の可能性を暗示していた。想定より反落幅が拡大されたものの、ベア基調への復帰ではなく、単純に中段保ち合いの延長、という位置付けのほうが理に適うだろう。

従って、上値トライの後ずれが認められるものの、上値志向自体が維持されると考えられる。また中段保ち合いの延長や再構築で、これから上値トライがあれば、一段と上昇モメンタムの増加や上値ターゲットの上方修正もあり得る。

しかし、目先では慎重な見方を維持しておきたい。なぜなら、前述の2月1日の「スパイクロー」のサインが結果的に「フォールス・ブレイクアウト」のサインに化すかどうかはなお不透明の状況だからだ。また、豪ドル/円98円の大台のブレイクやその上の定着なしでは判断が難しいため、性急な結論は見送りしたほうがよいだろう。

しかし、前述のように、中段保ち合いの延長があっても基調の総崩れにはなっていない。なにしろ、2023年12月安値を下回らなければ強気基調の崩れにならないと考えられるため、あくまで押し目買いのスタンスで臨みたい。

2023年12月7日に急落し一旦94円を割り込んだのは、米ドル/円の波乱につられた値動きだった。大きく反落しただけに、基調が一旦「崩れ」、回復に時間がかかると思われたが、実際は想定より早期に回復したところ、強気構造を暗示していたわけだ。

実際、2023年12月の急落があっても200日移動平均線の上に位置し、また先週の反落があっても同じ同線の上に位置するため、高値圏での保ち合いとして波乱があっても「コップの中の嵐」と認識すべきだろう。

この意味では、先週の反落が再度支持ゾーンの存在を証明したことがあれば、むしろ底打ちのパターンを再確認したこととなり、今後の上放れはより堅実なトレンドと判断できると考えられる。今週は、あくまでレンジ取引に徹したほうがよいと考えるが、押し目買いがより優れたストラテジーだと思う。さらに、状況次第では早期上放れの可能性もあり、安易な戻り売りは避けたい。