【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,150.30  ▼317.01 (1/31)
NASDAQ: 15,164.01  ▼345.89 (1/31)

1.概況

米国市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で早期の利下げに慎重姿勢を示したことから下落となりました。40ドル安でスタートしたダウ平均はFOMCの結果発表を午後に控え売り買いが交錯し一進一退の展開が続きましたが、FOMCの結果発表を受けて売りが優勢になると引けにかけて下げ幅を広げ結局317ドル安の38,150ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も345ポイント安の15,164ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の4会合連続での据え置きを決めました。声明文ではインフレ率が2%に持続的に向かっているというより強い確信を持つに至るまで誘導目標の範囲の引き下げは適切でないとし、早期の下げに慎重姿勢を示しています。また、1月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は10万7000人増に止まり市場予想を下回りました。10-12月期の米雇用コスト指数も前期比0.9%上昇に止まり市場予想を下回りました。さらに1月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も46.0と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが4%近く下落したほか、情報技術も2%以上下げています。また、一般消費財・サービスとエネルギーも2%近く下落し、素材と金融、資本財・サービスも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもシスコシステムズ[CSCO]が4%近く下落したほか、マイクロソフト[MSFT]とナイキ[NKE]、セールスフォース[CRM]、IBM[IBM]も2%以上下げています。一方で4銘柄が上げ、決算で赤字幅が市場予想より小さかったボーイング[BA]が5%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、主要ハイテク株が安く決算で広告収入が市場予想に届かなかったグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]が7%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、テスラ[TSLA]も2%以上下げています。また、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が決算で示した1-3月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで2%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.12%低い3.91%となりました。ドル円は146円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の36,000円を割り込んだところで昨日同様に押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)