東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。63円高の35,814円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると11時過ぎに416円高の36,167円まで上昇し328円高の36,079円で前場を終えました。340円高の36,091円でスタートした後場の日経平均は12時50分に435円高の36,186円まで上昇した後伸び悩むと14時40分前に206円高の35,957円まで上げ幅を縮めましたが、その後引けにかけてやや持ち直すと結局275円高の36,026円と節目の36,000円を小幅に上回って取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

カゴメ(2811)が一時13.3%高となりました。気候変動の影響でトマトの生産が不安定となるなか原料調達網を強化するため米国のトマト加工大手のインゴマーパッキングを買収すると発表したことで買いを集めました。日東電工(6988)も一時6.8%高となり上場来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.1%にあたる300万株、300億円を上限とする自社株買いを発表したことを好感した買いが入りました。また、ドル円がやや円安となるなか自動車株が高く、トヨタ(7203)が一時3.5%高、日産(7201)が一時3.2%高、ホンダ(7267)が一時4.5%高、マツダ(7261)が4.3%高、SUBARU(7270)も一時3.1%高となりました。さらに原油先物価格の上昇を受けて石油関連株も高く、INPEX(1605)と出光興産(5019)が一時4.5%高、石油資源開発(1662)が一時4.7%高、ENEOSホールディングス(5020)も一時4.0%高となり、石油資源開発は昨年来高値を更新しています。一方で第3四半期決算を発表した日立建機(6305)やSGホールディングス(9143)が大幅安となりました。日立建機は米州などで鉱山機械の販売が好調なほか、値上げの寄与もあり1600億円とみていた調整後営業利益の見通しを1710億円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことで一時3.8%安となりました。SGホールディングスも消費者の節約志向が強まり宅配便の取扱個数が想定を下回ることから915億円とみていた通期の営業利益の見通しを885円に下方修正したことで一時4.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は275円高となりました。米経済指標がインフレの鈍化継続を示す内容となったことから先週末の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新した流れを受けて買いが優勢となりました。また、5%を超えていた25日移動平均線との乖離率が先週末の下げで3%台まで低下していたこともあり上げ幅を広げ一時は430円以上上昇する場面もありました。そのため調整一巡への期待も出てきそうで、本格化する決算発表を支えにさらに水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)