東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。233円安の36,003円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分で428円安の35,808円まで下落した後切り返すと9時40分過ぎに176円安の36,060円まで持ち直しましたが、節目の36,000円を上回ったところでは上値が重く前引けにかけて下げ幅を広げると401円安の35,835円で前場を終えました。423円安の35,813円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時前に548円安の35,687円まで下落すると結局485円安の35,751円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)が一時4.5%高となりました。償還予定の社債の買い付けに充てるため海外市場で2027年満期の米ドルシニア債の発行を決定したと発表したことで増資による資金調達への懸念が後退し大幅高となりました。第3四半期の決算を発表した電設資材大手の未来工業(7931)も19.3%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。電材及び管材事業において価格改定が当初想定を上回って進捗したことに加え、配線器具事業の価格改定が浸透しだしたことなどにより59億円とみていた通期の営業利益の見通しを66億円に上方修正したことで買いを集めました。太平洋金属(5541)も一時17.3%高となりました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが太平洋金属株を5%超保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により判明したことを材料視した買いが入りました。一方で第3四半期の決算を発表した信越ポリマー(7970)が一時8.0%安となりました。半導体関連容器の需要の調整が続くとみられることから130億円とみていた通期の営業利益の見通しを105億円に下方修正し一転して減益予想となったことで大幅安となりました。また、昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した米インテル[INTC]が時間外取引で急落したことで半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時2.9%安、SCREENホールディングス(7735)が一時4.8%安、アドバンテスト(6857)が一時5.8%安、ディスコ(6146)が一時4.8%安、イビデン(4062)が一時5.4%安、SUMCO(3436)も一時6.6%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は485円安となりました。利益確定の売りや週末の持ち高調整の売りが出て節目の36,000円を割り込んで下げ幅を広げる展開となりました。しかし、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が5%となり短期的な過熱感が強かったことからするとスピード調整が続いているとみることができそうで、本日の下げで25日移動平均線との乖離率が3.2%まで低下するなか調整一巡感が出てくるかがポイントとなりそうです。なお、今週から3月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしています。本日も引け後には信越化学工業(4063)や日立建機(6305)、ファナック(6954)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する12月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される予定です。さらに26日の米国ではアメリカン・エキスプレス[AXP]などの決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)