強気相場が始まっても弱気派が多い

先週金曜日にはオプションのSQがあって、その値は「幻」ながらも3万6000円台だったと書いた。その値は3万6025円。例によって一部のメディアは「幻のSQ」が上値抵抗になると弱気を展開したが、その後、今週になって日経平均は取引時間中に3万6000円台に上昇、3万6025円を超えて「幻」はあっさり解消した。

しかし、日経平均はまだ終値では3万6000円台をクリアできていない。「今週のマーケット展望(1月15日付)」で予想した通り、さすがに今週は調整となるのが当然だからだ。

「今週のマーケット展望」ではこう述べた。
「上昇一服となるだけで、それほど深い押しは入れないだろう。仮に大きく下げる場面があれば買いそびれた向きの押し目が入ると思われ、波乱はあっても一時的にとどまり、基本は底堅い展開と予想する。」予想通りの展開である。

ついでに言えば、日経平均の昨年末の値の予想だって、当たったようなものだ。11月に3万4000円に下方修正した予想は結局昨年末では届かなかったが、1月10日に終値で達成した。4営業日後ずれしただけである。さらに言えば、2022年暮れから予想していた、もともとの3万6000円も、1月15日にザラ場でつけた。半月、営業日では7日後ずれしただけである。大当たりと言えるだろう。

さて、前回の続きである。ここまで相場が強くなってきても、未だに弱気が多いのはなぜだろう。前回、日経ヴェリタスの市場関係者アンケートで、2024年の日経平均株価予想の高値平均は3万6971円、回答者の半数が3万7000円以下の予想にとどまったと述べた。回答者は68人。うち、史上最高値を超えると予想した人は13人で率にすると2割に満たない。

相場の強気度は 専門家<経営者<個人投資家

1月1日付日本経済新聞。元旦の恒例、経営者20人のアンケートで株価の予想は、平均3万7900円、史上最高値(3万8915円)より上が10人、つまり史上最高値を超えると予想した人は5割だ。

日経CNBCのオンライン番組「マーケット展望」に大和証券の木野内さん、ソニーフィナンシャルグループの尾河眞樹さんと出ている。これも長く続いている企画である。1月5日(金)の夜にライブ配信した「マーケット展望」のなかで、視聴者(=個人投資家)にリアルタイムでアンケート調査を行った。

<2024年中に日経平均株価の最高値(3万8915円)更新はある?>
結果は、
「ある」      60%
「ない」      34%
「分からない」   6%

これらを踏まえると、2024年中の日経平均の最高値更新に対する確信度は

専門家(20%)経営者(50%)個人投資家(60%)というような具合であり、

相場の強気度で言えば、

専門家<経営者<個人投資家

ということになる。これは実に面白い。

専門家というのはどういう人種か?いや、それはもう、様々なのはいうまでもないが、日経ヴェリタスのアンケートに回答する市場関係者だから、それなりに第一線で活躍している方々だろう。つまり、相応の経験と実績を積んだシニアなポジションにいる人だけど、日本の市場関係者だからそのほとんどはサラリーマン=金融機関に所属していて、当然のように定年などがある。定年ではなくとも、高齢になれば第一線は退いておられるだろう。僕のように還暦を過ぎても現役というのは少数派だろう。想像するに、このヴェリタス・アンケートの回答者の平均年齢は40~50歳くらいではないか。そのくらいの世代は日本経済の苦境と日本株相場の低迷にどっぷり浸かって仕事をしてきた人たちである。弱気が染みついているのも無理はない。株は上がるものだ、という実体験がすくないのである。

それに引きかえ、僕以上の年齢の人はバブル相場をリアルに経験している。本物のバブル相場を知っているから、「今の相場はバブルじゃない」と言えるのだ。だから自然体でまだ上値がじゅうぶんにあり、当然、史上最高値を抜けていくというイメージを持つことができる。そういう人がヴェリタス・アンケートの回答者のなかで少数派なのはもっともだろう。

経営者は誰より日本企業の実態をよく理解している。インサイダーだからである。そういう人たちは、当然だが、外部から企業を分析するアナリスト以上の見識がある。個々には当たり外れがあるが、そのコンセンサスは傾聴に値する。

個人投資家も様々だが、日経CNBCのオンライン・ウェビナーでリアルタイム・アンケートに回答する投資家は、かなり若い層も含まれているに違いない。日本株のバブル崩壊後の大底は2009年。東日本大震災と民主党政権の低迷期を過ぎ、アベノミクスで日本株相場の上昇基調が鮮明になった起点は2012年秋だ。現在、30歳代後半より若い人は、大学を出て社会人になってから、株価が長期にわたって下落するという場面を見たことがない。短期的な急落は何度もあるが、それを必ず乗り越えて高値をとってくる相場しかしらないのである。

日経平均3万6000円は通過点、年度内に最高値更新も

日本取引所グループが18日発表した投資部門別売買動向によると、海外勢は1月第2週に現物を9557億円買い越した。株価指数先物とあわせた買越額は1兆4439億円と2023年4月以来の大きさ。現物の買越額は2013年のアベノミクス相場の初期並みの水準である。このニュースを報じた日経新聞は、「日本株や企業の変革に対する海外勢の「本気」を映す」と書いている。

本稿を執筆している前引け時点、日経平均は3万6000円では終わっていない。大引けで3万6000円で終われるかもわからない。しかし、3万6000円も、もう通過点でしかないだろう。3万6000円を基準に電卓をはじけば、史上最高値3万8915円まで、あと8%だ。大発会の終値から3万6000円まですでに8%超、上昇している。史上最高値まで、あとひと吹きである。

僕の株価予想は前回も示したが、EPS×PERで、今年はPERが上昇するだろうと述べた。実際に日経平均のPERは15.8倍まで上昇した。このまま、EPSの予想が来期に振り替わるだけで4万円に届くだろう。遅くとも来年度の見通しが出そろう5月末~6月には史上最高値の更新があるだろう。早ければ、今月下旬から始まる4~12月期の決算発表を受けて、年度内に最高値に迫る場面が見られるかもしれない。