東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。231円高の35,850円で寄り付いた日経平均は10時30分過ぎに620円高の36,239円まで上昇しました。しかし、利益確定の売りが出て伸び悩むと上げ幅を縮め191円高の35,810円で前場を終えました。151円高の35,770円でスタートした後場の日経平均はまもなくしてマイナスに転じると13時前に75円安の35,543円まで下落しました。その後持ち直しプラスとなる場面もありましたが、上値は重く引けにかけて再び売りが優勢になると大引け間際に142円安の35,476円まで下落し結局141円安の35,477円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
大手商社株が買われました。著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)が大手商社株への出資比率を高めていると伝わったことで物色の矛先が向かいました。伊藤忠商事(8001)が一時2.6%高、丸紅(8002)が一時4.2%高、三井物産(8031)が一時3.5%高、住友商事(8053)が一時3.0%高、三菱商事(8058)も一時5.0%高となり、三井物産と住友商事、三菱商事は上場来高値を更新しています。大手海運株も買われました。昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1%を超す上昇となったことで半導体製造装置関連株も買われました。東京エレクトロン(8035)が一時3.5%高、レーザーテック(6920)が一時5.0%高、SCREENホールディングス(7735)一時が4.8%高、アドバンテスト(6857)も一時6.0%高となり、SCREENホールディングスは上場来高値を更新しました。古河電気工業(5801)も一時6.4%高となりました。ワイヤハーネスなど自動車関連製品や機能製品の出荷が拡大していることから2024年3月期通期の最終損益が従来予想のトントンから小幅に上振れする公算が大きいと森平英也社長が明らかにしたと伝わったことで大幅高となりました。クラウドコンピューティングサービスを提供するさくらインターネット(3778)も19.5%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。東証グロース市場に上場するブレインズテクノロジー(4075)とデータセンターにおける日常点検をAIで自動化するための実証実験を開始したと発表したことで買いを集めました。ブレインズテクノロジーも17.3%上昇しストップ高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は141円安となりました。147円台前半まで進んだ円安を受けて買いが先行し一時は節目の36,000円を超えて上げ幅を広げ600円以上上げる場面もありましたが、高値警戒感から買い一巡後に上げ幅を縮めると後場に入り売りが優勢となりました。しかし、昨日の下落を受けても25日移動平均線との乖離率が6%を超えていたことからすると本日の下げも昨日同様にスピード調整とみることができそうで、今週は短期的な過熱感があるなかでどこまで水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、本日は日本時間の22時30分に12月の米小売売上高や12月の米輸出入物価指数が発表されるほか、23時15分には12月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、18日の午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)