◆「6月の花嫁」の続きである。昨日の小欄では、欧米と日本では気候が違うのだから、欧米における最適な結婚式シーズン6月は、梅雨の日本では結婚式に不向きだという話を書いた。海外の事情が日本では当てはまらない、なんてことはざらにある。
◆先日のセミナーでこういう質問をいただいた。「欧米株は史上最高値を更新していますが、日本株はまったく及びもつきません。この出遅れの原因は何でしょう?」 僕は、別に出遅れているわけではない、と答えた。欧米市場に上場している企業は、欧米の企業で、日本企業ではない。欧米の企業にはそれらの業績に見合った株価がつき、日本企業にはその業績に見合った株価がつけられる。それだけのことである。
◆お隣のご主人がお勤めの会社ではボーナスがたくさん出たらしいわよと、妻が僕に言う。経団連が発表したこの夏のボーナス調査では、伸び率がバブル期を抜いて過去最高になったという。なるほど、妻の情報にも信憑性がある。
◆お隣のご主人がたくさんボーナスをもらったからって、僕もたくさんもらえるなんて思うのは間違いだ。米国株は最高値だけどなぜ日本株は最高値じゃないのかと聞くようなものだ。会社が違うのだから株価も違えばボーナスも違う。うちは証券会社だから、これだけ株式市場の商いが細ってしまってはボーナスなど望みようがないのだよ、ハハハ、と妻に言った。かつての「6月の花嫁」は、いまや「6月の鬼嫁」と化している...。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆