【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,711.02  △15.29 (1/11)
NASDAQ: 14,970.19  △0.54 (1/11)

1.概況

米国市場は12月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速したことが相場の重石となる一方で、週末から本格化する企業決算への期待が相場の支えとなるなか小幅に高安まちまちとなりました。51ドル高でスタートしたダウ平均はマイナスに転じると昼前に271ドル安まで下落しましたが、午後に入って持ち直すと取引終盤にプラスに転じ結局15ドル高の37,711ドルで取引を終え続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.5ポイント高の14,970ポイントと5日続伸となっています。一方でS&P500株価指数は3ポイント安の4,780ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の20万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇と前月の3.1%上昇から伸びが加速し市場予想も上回りました。さらに12月の米財政収支は1290億ドルの赤字となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、金融、素材などの9業種が下げ、公益事業が2%を超える下落となったほか、不動産も1%近く下げました。一方で情報技術とエネルギーの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では投資判断と目標株価の引き上げを受けてセールスフォース[CRM]が2%を超える上昇となったほか、ナイキ[NKE]も2%以上上げました。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が3%安となり、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とボーイング[BA]も2%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、ネットフリックス[NFLX]が広告付きプランの月間利用者数が全世界で2300万人を超えたと明らかにしたことから3%近く上昇しました。レンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス[HTZ]は保有する電気自動車(EV)の約3分の1を売却する決定を明らかにし、2023年10-12月期に2億4500万ドルの評価損を計上したこと公表したことから4%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は12月の米消費者物価指数(CPI)を受けて早期の利下げ観測が後退し0.07%低い3.96%となりました。ドル円は145円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなかで昨日までの地合いを引き継いで堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)