東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続伸となりました。429円高の34,871円で寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに407円高の34,849円を付けた後上げ幅を広げると11時20分前に698円高の35,140円まで上昇し668円高の35,110円で前場を終えました。673円高の35,115円でスタートした後場の日経平均がさらに上げ幅を広げ13時前に715円高の35,157円まで上昇した後伸び悩みましたが、引き続き高値圏で推移すると結局608円高の35,049円で取引を終え昨年来高値を更新しています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
円安を受けて自動車株が買われました。トヨタ(7203)が一時4.5%高となったほか、日産(7201)とホンダ(7267)が一時3.4%高、マツダ(7261)が一時4.6%高、SUBARU(7270)も一時4.7%高となりました。カネカ(4118)も一時6.0%高となりました。ビル壁面などで使える建材と一体にした太陽光発電パネルの年間生産量を2030年までに現在の約3倍に増やすと伝わったことを材料視した買いが入りました。フィットネスクラブ運営のカーブスホールディングス(7085)も一時10.7%高となりました。粗利の増加やマーケティングコストの減少により第1四半期の営業利益が前年同期比で63.9%増となったことで買いを集めました。住江織物(3501)も一時5.1%高となりました。自動車・車両内装事業が堅調に推移することが見込まれることなどから26億円とみていた2024年5月期の営業利益の見通しを31億円に上方修正したことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて丸紅(8002)や三井物産(8031)が高く、丸紅が一時3.7%高、三井物産も一時4.2%高となりました。さらに東証スタンダード市場ではラーメン店を展開する丸千代山岡家(3399)が一時9.0%高となり上場来高値を更新しました。客数の大幅増で2023年12月の既存店売上高が前年同月比で36.8%増と高い伸びとなったことで大幅高となりました。一方で楽天グループ(4755)が一時3.8%安となりました。将来の税負担の軽減を見込んで貸借対照表に計上していた繰り延べ税金資産のうち約700億円を取り崩すと発表し、2023年12月期に取り崩しにかかる法人所得税費用を計上する見込みとなったことなどから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は608円高となりました。米国株高と一時145円台後半まで進んだ円安を受けて大幅高となり、節目の35,000円を回復し昨年来高値を連日で更新しました。そのため地合いの堅調さが強く意識されそうですが、25日移動平均線(33,278円)との乖離率が5%超まで広がり短期的な過熱感が強まるなかでさらに水準を切り上げて週の取引を終えることができるかが明日はポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が続いていますが、本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やファーストリテイリング(9983)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には12月の米消費者物価指数(CPI)や米新規失業保険申請件数が発表される予定で、米CPIは米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)