東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅に3日続伸となりました。133円高の33,896円で寄り付いた日経平均は大きく上げ幅を広げると11時10分過ぎに639円高の34,402円まで上昇し623円高の34,386円で前場を終えました。603円高の34,366円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ14時50分に775円高の34,539円まで上昇すると結局678円高の34,441円で取引を終え昨年来高値を更新しています。また、TOPIXが31ポイント高の2,444ポイントとなり昨年の9月19日に付けた昨年来高値(2,430ポイント)を更新したほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
エーザイ(4523)が一時4.9%高となりました。米バイオジェン[BIIB]と開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が中国国家薬品監督管理局(NMPA)から承認を得たと発表したことを好感した買いが入りました。壱番屋(7630)も一時9.4%高となりました。2027年2月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画や、1株を5株とする株式分割を評価した買いが入りました。日産化学(4021)も一時3.8%高となりました。次世代太陽電池「ペロブスカイト」型太陽電池の材料で2030年の事業化を目指すと伝わったことを材料視した買いが入りました。コーエーテクモホールディングス(3635)も一時6.5%高となりました。サウジアラビアの政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)がコーエーテクモホールディングス株を買い増したことが関東財務局に提出された変更報告書で明らかとなったことから大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて東洋水産(2875)が一時4.6%高となったほか、投資判断と目標株価の引き上げを受けて京セラ(6971)も一時6.5%高となり昨年来高値を更新しました。一方でウエルシアホールディングス(3141)が8.0%安となりました。新型コロナウイルス関連商品の需要が減り売り上げが伸び悩んだことなどで第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で14.8%減と大幅な減益となったことで売りが優勢となりました。中古車販売のネクステージ(3186)も一時14.0%安となりました。期末にかけて来店者数が落ち込んだことなどで2023年11月期の営業利益が前期比で17.3%減となり、会社計画を下回って着地したことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は678円高となりました。米国市場でのハイテク株高を受けて買いが優勢となりました。また、昨日に超えることができなかった節目の34,000円を上回ってきたことで上昇に弾みが付き上げ幅を大きく広げると、次の節目の34,500円を一時回復するなど大幅高で昨日に続き昨年来高値を更新しました。そのため一段高への期待がさらに高まりそうですが、この3日間で1,100円以上も上げ利益確定の売りがでやすいなかで堅調さを維持できるかが明日はポイントとなりそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第3四半期決算発表が続いていますが、本日も引け後にはエービーシー・マート(2670)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)