東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円高を受けて5日ぶりに反落となりました。203円安の33,477円で寄り付いた日経平均は9時30分前に270円安の33,411円まで下落しました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋り後場に入り14時20分に109円安の33,571円まで下げ幅を縮めると、その後も節目の33,500円を小幅に上回って推移し結局141円安の33,539円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

インキ大手のDIC(4631)が配当落ち分を考慮した基準値比で一時7.1%高となりました。アクティビスト(物言う株主)として知られる香港を拠点とする投資ファンドのオアシス・マネジメントがDIC株を6.9%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書で判明したことから大幅高となりました。ハイデイ日高(7611)も一時5.5%高となりました。人流回復や夜間の営業時間を延ばしたことなどにより2023年3-11月期の営業利益が前年同期比23倍の35億円前後となり、新型コロナウイルス禍前の2019年3-11月期の30億円を超えた公算が大きいと伝わったことで買いが優勢となりました。衛生用品製造機メーカーの瑞光(6279)も一時20.3%高となり年初来高値を更新しました。大人用紙おむつ製造機械が好調に推移していることなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で2.2倍となり通期予想に対する進捗率が98.9%となったことから業績の上振れを期待した買いが入りました。

一方でホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)が一時5.4%安となりました。ケーヨー(8168)の子会社化で段階取得の差益を特別利益として計上することから187億円とみていた通期の純利益の見通しを225億円に上方修正しましたが、営業利益の見通しを310億円から290億円に下方修正したことで大幅安となりました。また、大手海運株が大幅安となりました。イエメンの親イラン武装組織フーシが海運の主要航路である紅海でコンテナ船に対するミサイル攻撃を行ったと伝わったことで海運運賃の上昇への思惑から昨日は大幅高となりましたが、デンマークの海運大手APモラー・マースクが27日に数十隻のコンテナ船について紅海経由の運航を数日後から再開すると明らかにしたことから運賃の上昇への期待が後退し一転して売りが優勢となりました。日本郵船(9101)が一時4.5%安、商船三井(9104)が一時4.8%安、川崎汽船(9107)も一時5.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は141円安となりました。141円台前半まで進んだ円高や、52円程度とみられる12月末の配当権利落ち日に伴う配当落ちが重石となり売りが優勢となりました。下げ幅をやや広げ節目の33,500円を割り込む場面もありましたが、押し目買いが入り下げ渋ると33,500円を上回って取引を終えました。そのため明日の大納会での高値更新の可能性もありそうです。なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)