◆エルニーニョの影響で今年は冷夏かと懸念されているわりには早く暑さがやってきた。この週末、東京都心の気温は30度まで上がり初の真夏日となった。去年に比べて18日早い初真夏日だ。
◆本格的な夏を前に気が早いが、夏と言えば怪談や肝試し。僕は子供のころ墓場で人魂(ひとだま)を見たことがあるので、人魂というのは本当にあるものだと思っている。その一方で、非科学的なことは徹頭徹尾、信じない(矛盾してますか?)。大抵の「怪奇現象」目撃談というのは「幽霊の正体見たり枯れ尾花」だと思うのである。
◆「リスクは定義できればリスクでなくなる」という言葉がある。昨今の相場上昇がまさにそうではないか。特段、買い材料が出たわけではない。ただ、日経平均1万4千円が下値との見方がじわりと広まった。下値が固まれば怖くない。ダウンサイド・リスクが限定された。よって、あとは上にいくだけ - それが足元の状況だろう。
◆そうは言ってもまだまだ気候も相場も不安定。どちらがより不安定かと言えば相場のほうだ。気候の「三寒四温」は春先に限られるが、相場のほうは真夏日を迎えたこの先も、「三寒四温」がしばらく続きそうだからである。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆