東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。399円安の33,276円で寄り付いた日経平均は直後に338円安の33,337円を付けた後下げ幅を広げると11時20分前に574円安の33,101円まで下落し504円安の33,171円で前場を終えました。520円安の33,155円でスタートした後場の日経平均は引き続き安値圏で推移すると結局535円安の33,140円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
トヨタ(7203)が一時5.6%安となりました。子会社のダイハツ工業での品質不正問題に続いて、センサーの不具合のため助手席のエアバッグが設計通りに作動しない可能性があるとして米国で約100万台をリコールすると発表するなど悪材料が重なったことで大幅安となりました。また、ダイハツ工業からOEM供給を受けているマツダ(7261)やSUBARU(7270)も安く、マツダが一時4.8%安、SUBARUも3.5%安となりましたが、スズキ(7269)はダイハツ工業が品質不正問題を受けて国内外の全工場で自社開発した自動車の出荷を停止すると発表したことから代替需要を期待した買いで一時3.6%高となっています。さらに東洋建設(1890)も一時11.4%安となりました。任天堂(7974)創業家の資産運用会社が東洋建設に対するTOB(株式公開買い付け)の提案を取り下げると発表したことで売りが膨らみました。
一方で東京電力ホールディングス(9501)が一時6.0%高となりました。原子力規制委員会が定例会合で柏崎刈羽原子力発電所に出している事実上の運転禁止命令を解除する方針を決めたと伝わったことで買いが優勢となりました。スマホゲームの開発・運営を手掛けるアカツキ(3932)も23.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。ソニーグループ(6758)とコーエーテクモホールディングス(3635)の2社と、それぞれ資本業務提携すると発表したことで買いを集めました。八洲電機(3153)も一時7.3%高となりました。プラント事業を中心に業績が引続き好調に推移していることから33億円とみていた通期の営業利益の見通しを34億円に上方修正したことで大幅高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は535円安となりました。昨日の米国市場が大幅反落となったことから売りが優勢となりました。また、一昨日と昨日の2日間で900円以上上げ、高値圏にあったことから利益確定の売りが出て下げ幅を大きく広げ25日移動平均線(33,182円)を小幅に割り込みました。そのため高値更新や年末株高への期待がやや後退しそうで、明日は25日移動平均線を上回って週の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数や12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、7-9月期の米GDP確定値が発表されるほか、22日午前0時には11月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)