東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続伸となりました。247円高の33,467円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると11時20分過ぎに604円高の33,824円まで上昇し580円高の33,799円で前場を終えました。562円高の33,782円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に592円高の33,812円を付けた後伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局456円高の33,675円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)が一時4.2%高となりました。政府が米国企業の特許を使い国内でライセンス生産する迎撃ミサイルを米国に輸出する調整に入ったと伝わるなか、地対空誘導弾パトリオットの国内でのライセンス生産の主契約会社となっている三菱重工業に買いが入りました。信越化学工業(4063)も一時5.1%高となり上場来高値を更新しました。11月の米住宅着工件数は年率換算で前月比14.8%増の156万戸となるなか住宅資材に使われる塩化ビニール樹脂を手掛ける信越化学工業が買われました。ホシザキ(6465)も一時3.7%高となりました。飲食店の設備投資需要が高まるなか国内外で販売が想定を上回っていることなどにより370億円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを420億円に上方修正したことから大幅高となりました。DMG森精機(6141)も一時6.1%高となりました。グローバルで受注が好調に推移していることを受けて525億円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを530億円に引き上げたことで上げ幅を広げました。ツルハホールディングス(3391)も一時2.8%高となりました。化粧品の需要が回復したことや、値上げで食品の採算が改善したことなどで上期の営業利益が前年同期比で9.9%増となったことから買いが優勢となりました。東証スタンダード市場では日本オラクル(4716)も一時5.7%高となりました。主力のクラウド事業を中心にIT投資需要を取り込んだことなどで上期の営業利益が前年同期比10.4%増となったことから大幅高となりました。一方で関西電力(9503)が4.7%安となりました。和歌山市で計画していた火力発電所の建設中止に伴い約1230億円の特別損失を計上することにより通期の純利益の見通しを4050億円から2900億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は456円高となりました。早期の利下げ観測が引き続き相場の支えとなり昨日の米国市場でダウ平均が5日連続で史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。また、日米の中銀イベントを無事通過したこともあり上げ幅を広げ7月3日に付けた年初来高値(33,753円)を上回る場面もありました。しかし、後場に入って伸び悩むと年初来高値を下回って取引を終えました。そのため明日も買いが優勢となった場合には年初来高値を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21日午前0時には12月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数と11月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。さらに20日の米国では半導体大手のマイクロン・テクノロジー[MU]の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)