米ドル/円 週間予想レンジ:140.00~145.00

メインストラテジー:レンジ取引だが下値追いは避けたい

・日銀会合次第で底割れ回避か
・200日移動平均線をなお支持
・レンジ変動でも弱含みの展開

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週の米ドル/円相場は再度波乱となり、直近安値を更新した。一旦146円後半へ戻るもたちまち売られ、一時141円割れとなった。今週は、日銀の金融政策決定会合の結果次第で波乱があってもおかしくないが、140円以下の安値打診、即ち底割れは回避できるかもしれない。

何しろ、実質賃金が低下する傾向にあり、日銀は拙速な政策修正を行えないはずだ。日銀は、合理的な判断をすると考えられる。なぜなら、政局の不安もあり、日銀は金融政策の修正はもちろん、何らかの示唆も避けるのではないかと推測される。つまり、無風通過の公算が大きい。

しかし、米ドル/円のベアトレンドが確立されていることから、仮に日銀の政策維持があっても大した助けにはならないだろう。抵抗ゾーンがしっかり存在しているため、底割れ回避があっても頭は重いとみている。

先週のコラムで解説したように、そもそも年内の日銀政策修正の思惑がロング筋の狼狽売りをもたらしてきたため、今週は日銀会合後の下落一服が想定される。そのため、下値追いも避けたいところである。いずれにせよ、連続した急落でも200日移動平均線を巡る攻防が続き、しばらく安値圏でも保ち合いが先行される公算が大きい。

大事なポイントは、11月13日の高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だったことだ。2022年と異なり、日銀の為替介入なしのトップアウトはより蓋然性があり、また支配力のあるサインであった。

だからこそ、その後の続落は、トップアウトの構造を決定させた。何しろ、11月13日の高値更新が「ダマシ」であった以上、「最後の砦」は11月21日の罫線が示した「スパイクロー」であった。

同日安値が一旦10月3日の安値を下回ったものの、その後大きく引き返して大引けしただけに、その後完全な割り込みで支持ゾーンの崩れを決定させた。この場合は、「倍返し」の計算で最大142円関門割れの打診を覚悟していただけに、先々週の141円関門の一旦割り込み自体も許容範囲内と見ている。

12月7日の長大線を「母線」とした「インサイド」のサインが12月14日の安値更新をもって下放れしたが、そこからの急落は目先のところまで観察されていない。この前の急落は世間がサプライズを受けた様相だが、むしろ予測通りの展開であった。今週の日銀会合に関する憶測先行が行き過ぎであると思う。

そのため、弱気トレンドになっている目下、前述の理由で今週の保ち合いを想定し、巷の俗論とは距離を置きたい。今週は安値の再更新があっても下値を追わないほうが賢明だと思う。

豪ドル/円 週間予想レンジ:95.00~97.50

メインストラテジー:しばらくは、レンジの押し目買いを継続

・基調崩れがあっても底固い展開
・保ち合いの先行を有力視
・豪ドル/米ドル次第の側面

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週と同様に値幅は限定的だった。今週も先週の見方を維持したい。

先々週は急落し、一旦94円関門を割り込んだ。米ドル/円の波乱につられた値動きだったが、大きく反落してきた以上、基調が一旦「崩れ」、回復には時間がかかることを示唆していた。そのため、先週の値幅限定はむしろ当然の成り行きであった。

先週のコラムで解説した通り、ここから弱気トレンドへ転換するとは考えていない。あくまで中段保ち合いの再拡大や再延長であるが、200日移動平均線を維持している限り、なお高値圏での保ち合いが有力視され、これからも続くと思う。

その一方で、基調が一旦大きく悪化されたことも事実である。11月半ばから、週足では連続3週間の罫線をもって「インサイド」のサインを形成していたが、先々週の大幅続落で同「インサイド」の下放れを果たしたことで、しばらくは頭の重い展開が続くことを示唆している。だからこそ、先週のような値幅限定がこれからも続くと見ている。

さらに、元々のシナリオでは、10月最終週は大きく続伸し、9月高値のブレイクを果たしたため、上放れが決定したと見ていた。11月における一旦年初来高値更新で出遅れたロング筋の一段参入が想定されただけに、週足における「インサイド」が延長されても、いずれ上放れする機運があったと推測していた。

しかし、先々週の大波乱で同シナリオが崩れたため、再考せざるを得なかった。上放れのサインが一旦「否定」された分、ここから高値トライがあってもしばらくは限定的であり、このような基本的な見方がしばらく続くだろう。

日足の見方として、12月5日、6日のサインも大きかった。12月6日は「スパイクハイ」のサインだったが、12月5日と「インサイド」を形成し、その後、12月7日になると大きく下落して大陰線を形成していたため、これから仮に回復があってもハードルが高く、時間がかかることが先週の値動きをもって一段と証明された。しばらくは、レンジの押し目買いを継続する形となるだろう。