米ドル/円 週間予想レンジ:144.20~147.80
メインストラテジー:レンジ取引保ち合いを想定
・急落したがなお高値圏に
・200日移動平均線が下値を支持
・しばらくはレンジ変動か
アナリシス:
米ドル/円相場は先週大きく続落し、一時141.71円となり、やや波乱となった。年内の日銀政策修正の思惑がロング筋の狼狽売りをもたらしたが、すでに一服した可能性がある。
もっとも、実質賃金が連続19ヶ月下落する中、日銀が拙速な行動を取るとは考えにくい。日銀総裁の発言を断片的に捉え、推測というよりも憶測を書いて煽った記事が多かった。いずれにせよ、急落でも200日移動平均の上に位置し、なお高値圏で推移していること自体は間違いない。
11月13日の高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」であったことがもっとも重要なサインであった。2022年と異なり、日銀の為替介入なしのトップアウトはより蓋然性があり、また支配力のあるサインであった。
だからこそ、先々週の続落は、トップアウトの構造を決定させた。先週のコラムでも解説したように、150円だけではなく149円台の回復も容易ではないと推測され、支持ゾーンのさらなる下方修正に繋がるだろう。言い換えれば、従来の支持ゾーンの崩れがあったからこそ、下値余地が大きく拡大したわけだ。
何しろ、11月13日の高値更新が「ダマシ」であった以上、「最後の砦」は11月21日の罫線が示した「スパイクロー」であった。同日安値が一旦10月3日安値を下回ったものの、その後大きく引き返して大引けしただけに、先々週は完全な割り込みで支持ゾーンの崩れを決定させた。この場合は、「倍返し」の計算で最大142円台の打診も覚悟せざるを得ない。
言ってみれば、世間がサプライズを受けた模様だが、むしろ予測通りの展開であった。そのため、猫も杓子も弱気になっている目下、前述の理由で今週の保ち合いを想定し、巷の俗論とは距離を置きたい。今週は安値の再更新を避けられる公算が大きいと見ている。
豪ドル/円 週間予想レンジ:95.00~97.00
メインストラテジー:しばらくは、レンジの押し目買いを継続
・基調は一旦「壊れた」形に
・しばらくは保ち合い
・豪ドル/米ドル次第
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週急落し、一旦94円関門を割り込んだ。米ドル/円の波乱につられた値動きだったが、大きく反落してきた以上、基調が一旦「崩れ」、回復には時間がかかることを示唆している。
しかし、ここから弱気トレンドへ転換するとは考えていない。あくまで中段保ち合いの再拡大や再延長であるが、200日移動平均線を維持している限り、なお高値圏での保ち合いを有力視している。
その反面、基調が一旦大きく悪化されたのも事実である。11月半ばから、週足では連続3週間の罫線をもって「インサイド」のサインを形成していたが、先週の大幅続落で同「インサイド」の下放れを果たしたことで、しばらくは頭の重い展開が続くことを示唆している。
さらに、元々のシナリオでは、10月最終週は大きく続伸し、9月高値のブレイクを果たしたため、上放れが決定したと見ていた。11月における一旦年初来高値更新で出遅れたロング筋の一段参入が想定されただけに、週足における「インサイド」が延長されても、いずれ上放れする機運があったと推測していた。
しかし、先週の波乱で同シナリオが崩れたため、再考せざるを得ない。上放れのサインが一旦「否定」された分、ここから高値トライがあってもしばらくは限定的になる公算が大きい。
日足の見方として、12月5日、6日のサインも大きかった。12月6日は「スパイクハイ」のサインだったが、12月5日と「インサイド」を形成し、その後、12月7日では大きく下落して大陰線を形成していたため、これから仮に回復があってもハードルが高く、時間がかかるだろう。しばらくは、レンジの押し目買いを継続する形となるが、辛抱が必要だと思う。